RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

日本の新進作家 vol.18@東京都写真美術館 2022年1月2日(日)

こちらも「無料の日」での鑑賞。

一般の入場料は700円。

ちなみに、今月の21日(金)も
「開館記念日」のために無料、と
告知されている。

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「記憶は地に沁み、風を越え」がタイトルのようにも見えるが
実際にはサブタイトルだろうと勝手に思う。


計5組六名の作品は何れも
自分と他者、或いは
自分と土地のついて思いを募らすもの。


『吉田志穂』の作品は    
「@ガーディアン・ガーデン」や「@資生堂ギャラリー」でも観ており。

何れも、別に撮った写真や映像を
組み合わせて作品化している。

本展では、死んで打ち上げられた鯨を
骨格標本にするために砂に埋めた一角が舞台。

それはやがて掘り起こされ、研究対象や標本になるのだろうか。


『潘逸舟』の作品はトウモロコシ畑の映像と
そこで採収した音声が流れる。

ざわざわざわ、と
風に揺れ、擦れる音は〔さとうきび畑〕を思い出してしまった。


『小森はるか+瀬尾夏美』のユニットは
災害に題をとる。

被災した場所の写真と人の記録は
痛ましさと共に、人間の強さにも思い至る。


『池田宏』は「アイヌ」の人々のポートレイトをずらりと並べる。

変な意味ではなく、そのカッコを付けずに坦懐に観れば
何の変哲も無く。

意味付けをしているのは民族との矜持なのか、
それとも観る側の先入観か。


『山元彩香』の写真と映像が、個人的には
本展では一番のお気に入り。

各地でたまたま出会い撮られた少女達の姿は、
透明感に溢れ、しかも静謐。

リアルの肉体を持ちながらも、
そこからは遊離した感覚に思わず目が吸い寄せられてしまう。


会期は~1月23日(日)まで。