RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

第5回 都美セレクション グループ展@東京都美術館 2016年12月4日(日)

全期間を通して五つのグループの展覧会が開催される

前半は二つ。


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うち一つは【ギャラリーA】を使用した『月火水木金土日』による
〔想いアラタに〕

全十六名による工芸作品が並べられ
中でも『鈴木祥太』のそれに目を奪われる。

彫金のはずなのに〔flowing〕と題されたそれは
銀杏の枯葉そのもの。

枝から落ちてきた葉が今にも地面に着こうとしている。

そう言った軽やかささえ表現されている。


その対極に有るのが『雪ノ浦裕一』の〔時を纏う〕。

素材は陶磁器のはずなのに眼前に有るのは
年月を経た金属の構造物そのもの。

なんだこれは、と
思わず手を伸ばして触れそうになってしまう。


もう一つは【ギャラリーB】を使用、『キョウノドウキ展実行委員会』の
〔キョウノドウキ〕
〔矩形・そこに見る日本画の可能性〕との副題も冠されている。

計十二名による表現の数々。

思わずニヤリとさせられたのは
『中村あや子』による〔宇佐儀洛中図〕。

「ウサギ」と読むのだねこれは。

古来からの洛中図の様式そのまま、しかし
屏風の中では数多の兎が躍動している。

日々の暮らしに勤しむもの、時ならぬ事件に巻き込まれるもの、
或いは遊興に耽るもの。
イマイマの風俗も巧みに取り込んでいる。

例えば、歌舞伎や落語の遊興施設に立てられた
幟に書かれている役者の名前を見ればイイ。
必ず「卯」の字が取り込まれている。

熱心に観れば観るほど、笑いが込み上げて来る。


会期は何れも~12月6日(火)まで。