RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

きみはいい子@109シネマズ川崎 2015年7月10日(金)

封切り二週目。

席数72の【シアター10】の入りは満員の盛況。


イメージ 1



冒頭からやるせないシーンが続出する。


自分の職業に意義を見いだせないでいる小学校の教師。

自分の娘なのにどう愛して良いのか判らず
ちょっとした粗相に過度に虐待を繰り返してしまう母親。

初期の痴呆が始まっている独居の老婆。

物語りはこの三人を軸に回転し、
モンスターペアレント・学級崩壊・いじめ・
親からのネグレクト・虐待の連鎖、と
今の日本の弱い者~子供や老人、障害のある人々~を取り巻く負の環境が
これでもかと言うくらいに次々と繰り出され、
観客の側は、ああ、この責め苦は何時まで続くんだろう、
最後には救済が示されるんだろうか、と
もういい加減、焦れ始めた時に、ある小さな変化は起きる。


しかし、その変化は、全てを解決するものでは
勿論無い。
それは最後のシーンが現わしている様に
この先どう転がるかなんて想定も付かない。

でも、最初はカタチだけであっても
人間同士が直接的に触れ合うことで、
今よりも少しだけ、そして少しが積み重なることで
大きな変化が、やがて起きて行くのだろうと、
小さな希望が心に灯る、
そんな慈愛を感じさせる作品ではある。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


でもよくよく考えて見れば、
親から一度も手を上げられずに育った子供って
この世に居るんだろうか。

そして本編でもいみじくも描かれているように、
叩かれても、子供は親を慕うもんなんだよね。
それを忘れちゃいけない。