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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

スー・ブラックウェル 「Dwelling-すみか-」@ポーラ ミュージアム アネックス 2015年5月9日(土)

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標題館に訪問する時に、
エレベーターに同じ目的の人間と乗り合わせることって
まずないんだけど。

今日はどうしたことだろう、
自分以外に五人も3Fで降りて行く。

何かの間違いじゃ、と思い
場内に足を踏み入れれば・・・・、げ
こんなにヒトが入っているのは初めてかもしれない。


布を素材に広大な建造物のミニチュアを制作する『岩崎貴宏』、
本から極彩色の蝶を浮き上げる『キギ』。

『スー・ブラックウェル』の造り出す世界は
丁度その中間かもしれない。

「ブック・スカルプチャー」とされる作品群は
例えば〔鶴の恩返し〕と言った物語世界が、
本そのものを素材に精細に構築されている。

ちょっとみ、幾つかの文物のコラージュにも見えるんだが、
近寄って仔細に観れば、紛れも無く
本を素材とし、その中から立ち上がっていることが見て取れる。

とっても凄い。そして見飽きない。

そういった作品が計十一。
奥のスペースでは、制作の過程を追ったビデオも流されており、
多くの人が食い入る様に魅入っている。


ただ展示方法がタイトルに引っ掛けることを意識したためだろう、
小さな小屋に似せたボックスを用意し、そこにちんまりと作品を置いている。

なので先客があると、その背に阻まれ作品の全容は見えず、
仕方が無い、開くまで待つとするかと、
殆どの客は場内を右往左往している。

雰囲気は出るんだけど、流れの面ではイマイチだったね。

そして、ボックスの中の照明も
その世界観を再現するためだろう、多くは暗い照明で、
ディテイルがキチンと見えない恨みがある。


ただ、それらの諸点を差し引いても、
作品自体が持つ素晴らしさと唯一性は
一向に色褪せない。

いや~、素晴らしいモノを見せて頂き、
ただただ感謝だ。