RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

チャレンジャーズ@TOHOシネマズ川崎 2024年6月9日(日)

封切り三日目。

席数127の【シアター2】の入りは五割ほど。

 

 

初めての出会いは三人が高校生の頃。

男子二人も「アイス&ファイヤー」の二つ名で
Jr.男子ペアの世界ではそれなりに名が通っているが
『タシ・ダンカン(ゼンデイヤ)』は別格。

プロ転向はしていないのに
大手スポーツメーカーのスポンサードを受け
財団まで設立、両親は役員につき、
既に巨額の富を得、更に今後も約束されている有望株。

※ここでプロとアマの違いに疑問を持つわけだが、
要は大会で賞金を得る得ないの差、との理解で宜しいか。


とあるJr.の大会で出会った三人。
男二人は初めて生で見た『タシ』にぞっこん。

彼女はそんな二人を手玉に取る。

この時点ではや、三人の将来が、
ポジションの優劣が透けて見える。


しかし、将来を嘱望された『タシ』が
試合中の事故で再起不能となったことから事態は急転。

彼女は二人を一流の(シングル)テニスプレイヤーに育て上げることに
新たな生き甲斐を見い出すのだが・・・・。


三角関係を表すのに、テニスというスポーツは
あまりにうってつけ。

広いコートの両端に位置した男二人、
その中央部の観客席に座る女一人。

ラリーの度にボールは左右に動き、
視線や顔もそれに合わさり右に左に。

さも、どちらの男を選ぼうかと考えているよう。
ちょっとした間合いや、見つめる時間の長ささえ
なにか裏があるのでは、と
思えてしまう。

主演の『ゼンデイヤ』は制作者としても名を連ね、
彼女の希望はそれなりに
脚本に反映されているとの判断は妥当だろう。


物語はイマイマ行われている
地方のツアー大会の(男二人が相対する)決勝戦をメインに、
三人の過去の因縁が適宜挿入。

時系列がバラバラのため、
頭の中を整理するのはなにかと労力も、
エピソードが積み重なることで
三人のポジションも理解される。


『タシ』と結婚し、一女を授かった『アート(マイク・フェイスト )』は
グランドスラム」達成直前の位置につけるも
ここしばらくは肩の手術の影響もあり不調をかこつ。

一方の『パトリック(ジョシュ・オコナー)』はシード権の獲得さえままならぬランキング。

その二人に『タシ』を巡っての新たな因縁が生まれ、
物語はクライマックスへと。

ポップでビートの効いた音楽と
スピード感と視点をを自在に操るカメラワークに乗せられて。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それまでは上手く行っていた男二人が、
彼女の出現とともにさや当てを演じ、
テニスに対するスタンスも変化するように。

が、決勝のゲームが進むにつれ、
昔の幼い感情が再び湧き上がる。

これこそが、『タシ』が求めていたカタルシスなのかもしれない。