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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

デューン 砂の惑星 PART2@チネチッタ川崎 2024年3月16日(土)

封切り二日目。

席数244の【CINE6】の入りは七割ほど。

 

 

前作を復習鑑賞せずに劇場に向かったので、
ストーリーがジブンの頭の中できちんとつながるだろうか?との
一抹の不安。

が、結果的にそれは全くの杞憂。
人物の背景や過去の出来事も
エピソードに付随し、ちゃんと想起され立ち上がる。

それだけ、監督の『ドゥニ・ヴィルヌーヴ』の造り込みが巧みなのだろう。
科白やシーンで、さりげなく匂わせる手練の技。


一作目で砂漠に逃れた『ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)』と『ポール(ティモシー・シャラメ)』母子は
砂漠の民に迎え入れられ、
片や「教母」として、片や「救世主」として崇められる存在となって行く。

とりわけ『ポール』は複数のイニシエーションを経ることで
伝説に描かれた導く者としての地位を確立。

本作ではそこに至る過程を三時間近い尺を使い、
時として策謀の数々と大規模な戦闘シーンも交えながら壮大に描く。


皇帝『シャッダム4世(クリストファー・ウォーケン)』と
その娘『イルーラン(フローレンス・ピュー)』の思惑。

「アトレイデ公爵家」を直接的に滅ぼした「ハルコンネン家」の野望。

一方、砂漠の民の中でも『ポール』に懐疑的な勢力もあり、
三様の視点が糸の如くに絡まり合いながら団円へと向かう。


とは言えエンディングに向け、不穏な空気も漂い出す。

父を殺害されたことへの復讐、搾取されて来た砂漠の民の安寧が一義二義も
その安堵のために権力奪取に向かう描写がちらほら。

原作は未読なのでしかとは判らぬが
〔オール・ザ・キングスメン(1949年)〕のようにはならぬのだよね?との
想いも湧き出す。

その前段として本サーガが、やはり血縁に起因する物語りであり、
一つの一族の興亡なのが示唆されるエピソードが挟み込まれるからなのだが。

信じて付いて来る砂漠の民との折り合いを
どうつけて行くのだろうか、と。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


印象的な戦闘シーンは、モブの部分も含め
スター・ウォーズシリーズ〕の「ライトセーバー」によるスマートな剣戟に比べ、
より短い剣によるかなり野趣に満ちたもの。

血しぶきが飛ぶシーンも多く、本国では「PG13」の指定もされているよう。