「江戸にきらめいた民間の絵師たち」との副題が付されている。
行間からは「御用絵師」以外の作家を並べているようにも取れるが、
実際には{狩野派}の作品も多く並ぶ。
この辺りは、同館お得意の
「比較」を鑑賞者にさせるための配慮だろうか。
作者のプロフィールについても懇切だし
作品の観方についても丁寧に書かれたキャプションは毎度のコト。
コーナーは大きく「富士」と「牡丹(花)」の二つに分かれ、
とりわけ「富士」のパートでは
描き方のその後のデファクトとなる『探幽』の画から始まる流れは面白い。
『司馬江漢』のややバタ臭い作品も多数並び、
同様のモチーフが描き込まれていることに改めて気づかされる。
「牡丹(花)」のパートでは『抱一』~『其一』と
{琳派}への流れも抑えられ、
小品ではあるものの眼福には違いない。
会期は~10月1日(日)まで。