封切り三日目。
席数127の【シアター2】は満員の盛況。
既刊69巻のうち、
11巻~の「馬陽の戦い」をメインに描いているとのことで、
観ているうちに「おいおい、これじゃあまだまだ終わらない、
続編があるに違いない」と確信する。
案の定、エンドロールの中途には
『長澤まさみ』も登場し、
次回作への高まる期待。
とは言え、具体的な公開日は明示されず、
当座はやきもきして待つのだろう。
なんとなれば
『楊端和』を演じる彼女は
他作では感じられぬ圧倒的な艶っぽさだからな。
それだけでも鑑賞の価値は十二分にあり。
それはさておき、本作、
中だるみ気味だった前作〔キングダム2 遥かなる大地へ〕が
幻だったかのように出来が良い。
あくまでも続編を前提にした
「起承転」の部分までが上手く繋がっている。
「起」は「趙」の「秦」への侵攻。
それを受けての「承」は二つに分岐。
一つは、
『嬴政(吉沢亮)』が天下統一を望むことになった悲しい過去。
もう一つは、今後語られるであろう『王騎(大沢たかお)』が向き合うべき過去について。
こちらは発端だけで、多くは謎として残される。
そして「転」は『信(山﨑賢人)』と『羌瘣(清野菜名)』が躍動する戦闘の場面。
「結」は次作への持ち越しなのだが。
で、物語の大部分を占める戦闘のパートが
頗る分かり易い。これが前作との大きな差。
戦場となる場所が何故に選ばれたのか、
どのような因縁があるのか、
「秦」の首都との位置関係はどうなっているのか。
敵味方の布陣は夫々どうなっているのか、
どうした思惑でその位置関係が取られたのか。
戦闘開始後の用兵の理由は何か、
そこにどのような思惑が隠されているのか。
俯瞰と近接を上手く併用しながら、
時として(解説チックな)会話を適宜混ぜ込み、
先に挙げた点を詳らかにしつつ戦闘の帰趨は決して行く。
素晴らしく練られた脚本とカットの繋ぎ。
中国の大地の広範さも十分に感じられ、
先作では不満に覚えた箇所が全て払拭される素晴らしさは心地良ささえ感じる。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
最後には次作への複数の謎も提示され、
期待感も膨らます。
二作目は無かったことにしたいくらいの出来。
もっとも、個人的には
先に挙げた『長澤まさみ』の登場こそが次作の焦点なのだが(笑)。