RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

七月大歌舞伎@歌舞伎座

前回の同所での観劇は「さよなら公演」の時。
その後、「新橋演舞場」でも観てはいるものの、
随分と久方振りになる。

勿論、新装なった「歌舞伎座」はお初。

全体的に明るいし、椅子のクッションも良くなり、
席も少しは横に広がったかしら。

とは言え、前席とのとの間隔や
傾斜はあまり変わっていない気が。

今回は夜の部の招待券を知己から頂き、
いそいそと出かける。

 

演目は
〔神霊矢口渡〕
〔神明恵和合取組 め組の喧嘩〕
〔新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞〕


客席には、外国人の姿や、
奥さんに連れて来られた旦那の姿もちらほら。

が、早々に席を立ったり居眠りしたりと、
そちらを見るのも面白いかも(笑)


まぁ、彼等の様子も判らぬでもない。

ただでさえ独特の科白回しに、
〔神霊矢口渡〕であれば「打擲」などとの、
普段ならまずは使わない単語も頻出。

理解するのに随分と骨が折れるかも。

とは言え、
『お舟』を演じた『児太郎』の
一目惚れからの気に入られようとする手練手管の表現の可笑しさと、
最後は愛に殉ずるいじらしさにほろりとさせられる。


〔め組の喧嘩〕は実際の出来事の演劇化。
なので人物はほぼ実在。
もっとも、落としどころは
ここで描かれているほど美しいものではなかったようだが。

團十郎』の男っぷりと、
多くの出演者の軽妙な動きを楽しむ。


一番期待感の低かった〔鎌倉八幡宮静の法楽舞〕が
結果的には一番の満足度。

こりゃ~ほぼほぼ〔Cats〕だよねと思いながら観る、
大勢でタップダンスさながらのシーンもありで。

何十丁もの三味線を使ったアンサンブルも見事で
これほどに多様な音色を奏で重ねられるのかと
新鮮な驚き。

また、ある意味
一家内の役者だけで場内を沸かせてしまう凄さも
思い知る。

(たぶん)ボディダブルを使った『團十郎』の七変化は勿論も、
『ぼたん』と『新之助』が最後の「押戻」で最も拍手を受けているのがその証左。
成田屋」への今後の期待の大きさも
相俟ってのことだろう。