”Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展”
昨年も同時期に、やはり二名の受賞者の作品を観に行き
やや複雑な心境になった。
勿論「ああ。いいなぁ」との想いを抱きつつも。
その根っこの部分は同様も、
今回は更に、寂莫とした感情が押し寄せる。
受賞者は『志賀理江子』『竹内公太』の二名。
前者は「3.11」を題材にしたもの。
自然災害ではあるものの、
人の責によるその後の被害が
今でも多くのしかかっていることに、
更にもそれが今後も続くことを
改めて認識させられる。
後者の作品は大きく二つのカテゴリー。
一つは、取り壊しになる歴史のある映画館の解体の様子を
あたかも自身がその場に、
しかも観客として同時体験できる仕掛けの映像作品〔三凾座の解体〕。
もう一つは、
第二次大戦中に日本軍が米国本土を攻撃するため
盛んに飛ばした「風船爆弾」について。
9,000個余りが放たれ、1,000個前後はアメリカに到達、
幾ばくかの被害をもたらしたものもあると言う。
そのうち、記録に残る300ほどを
実際に現地に赴き、それが落下した場所を確認する、
一種の歴史の掘り起こし作業。
ドキュメンタリーものでもお馴染みの「兵器」の
材質は和紙、貼り合わせるのに蒟蒻芋を使ったとのこと。
それを実寸大に再現したものも展示され、
偉容に驚いてしまう。
昨今話題の中国からの気球もかくやとの
不気味ささえも感じさせる。
会期は~6月18日 (日)まで。