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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

目力展 見る/見られるの関係性@板橋区立美術館 2021年9月24日(金)

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タイトルは上手くつけたものの、所謂
「館蔵品展」。

ため、過去に観たことのある作品が多く並ぶ。

しかし不思議なことに、
並べ方が変わり、解説も付けられると、
違った文脈が浮かびあがって来るから面白い。


代表例であれば、肖像画か。

横向きなら一方的に見られる関係性も、
正面を見据えていれば、その瞳は鑑賞者の側にも向けられ、
画中の人物は当然それを意識している。


同様に社会を見つめる「視点」としての価値も
当然存在する。

貧困や環境、或いは政治的なものに対する目。


シュールレアリスム}では、眼そのものを
モチーフとした作品も多いわけで、これは当初の想定通り多く並んでいる。


が、今回もっとも記憶に残った一枚は、
過去に何度も標題館で観た記憶のあるもの。

『新海覚雄』による〔貯蓄報国〕は戦中の
貯金をして国債を買って、戦費を捻出しましょうとの
国策に協力する人々を描いたもの。

プロパガンダ作品に近い印象も、
本来は望まずとも、世間の目があるから
表向きはその様に振る舞うケースも多かったろう。

しかし、このように空気を読んだ行いは、
往時に限ったことではなく。

繰り返し、歴史に刻まれている。


会期は~10月3日(日)まで。