会期は6月5日(土)~8月29日(日)と、随分と長めに取られている。
計六名の作品は、大掛かりなものから
ほんの小品まで。
或いは、過去に目にしたことがあるものから
初見のものまで。
中でも『宮永愛子』のナフタリンを使ったお馴染みのそれは
大好きな手法。
入念に造形ををしてもやがて空気中に溶け出し
跡形もなくなってしまうだろう。
しかしアクリルケースの壁面には
結晶が張り付き、元有ったモノの痕跡を留める。
形あるものは必ず滅することの理を
ソフトに気付かされる。
それとは別に過去に出展された収蔵作品も展示されており、
『畠山直哉』×『赤瀬川源平』のそれは
自分の記憶にも残っているもの。
前者は、あの〔千円札〕、後者はそれが生み出されたアトリエを写真に撮ったもの。
既に物故者なので、新しい作品を目にすることはないけれど、
〔トマソン〕と共に、この作品も永久に記憶されるのだろう。