封切り十日目。
席数103の【SCREEN6】は満員の盛況。

舞台劇の映画化はつくづく難しいと思う。
基本、客の反応が肌で感じられることが前提の構成を
そこからすぱんと切り離してしまうんだから。
そこからすぱんと切り離してしまうんだから。
素材自体の向き不向きも勿論ある上に、
脚本・監督の力量によっても随分と違う。
脚本・監督の力量によっても随分と違う。
で、本作、個人的にはかなり気に入ってしまった。
1970年開催の「大阪万博」を中心に据え、
大阪空港に近い頭上を航空機が頻繁に行き来する地域で焼肉屋を営む
在日朝鮮人一家の1969年~1971年の三年間の物語が
笑いあり、涙あり、怒りあり、困惑ありのエピソードと共に展開される。
大阪空港に近い頭上を航空機が頻繁に行き来する地域で焼肉屋を営む
在日朝鮮人一家の1969年~1971年の三年間の物語が
笑いあり、涙あり、怒りあり、困惑ありのエピソードと共に展開される。
航空機の影や轟音は、対抗するにはあまりにも大き過ぎる
国家の隠喩かもしれない。
国家の隠喩かもしれない。
彼等に対する差別の問題とか、
或いは障害がある人への蔑視的な表現とか
何故、「在日」が存在するかの根本を理解しないお役所への義憤とか
感じるところは多々あるけれど、
家族のクロニクルという視点では「細雪」と丁度対極に位置するのではと思う。
或いは障害がある人への蔑視的な表現とか
何故、「在日」が存在するかの根本を理解しないお役所への義憤とか
感じるところは多々あるけれど、
家族のクロニクルという視点では「細雪」と丁度対極に位置するのではと思う。
暮らしぶりも生活の場所も著しく違うけれど
姉妹同士の葛藤は共通。
姉妹同士の葛藤は共通。
上品さよりも猥雑さの中に逞しく生きる彼女等を
より好感の目を持って見つめる。
より好感の目を持って見つめる。
何よりも、直情的なのが良いよね、
変に裏表が無くて。
変に裏表が無くて。
もっとも我々は、三人のその後運命をたぶん知っている。
長女が辿る苦難の道を、
次女が味わう偏見を、
三女が耐える嫉妬を。
次女が味わう偏見を、
三女が耐える嫉妬を。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
ああそれでも、象徴的に位置する
長男の存在を忘れてはいけない。
長男の存在を忘れてはいけない。
両親の期待に応えることができず
苦悶の表情を浮かべる彼が取る行動は
多かれ少なかれ、我々の誰もが経験するものだから。
苦悶の表情を浮かべる彼が取る行動は
多かれ少なかれ、我々の誰もが経験するものだから。