RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

リバーズ・エッジ@109シネマズ二子玉川 2018年2月19日(月)

封切り四日目。

席数155の【シアター1】の入りは三割ほど。


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川が古くから村と村、国と国との境目であったことからも判る様に
彼岸と此岸は共に異界への入り口であった筈だ。

「虫送り」ですら境界まで行ってしまえば後は知らぬこと、
自分の地域には関係のないことに相成ってしまうのだから。


『若草ハルナ(二階堂ふみ)』は他人に対しての関心が薄く
山田一郎(吉沢亮)』は小学校の頃から虐めにあっているゲイ
『吉川こずえ(SUMIRE)』は拒食症でレズビアンのモデル
本作の主要な登場人物は何れも、社会的には縁に位置するのかもしれない。

この三人が河原で見つけた死体を媒介に繋がる。
誰とも判らぬ死体を見ることで、心が安らぎを覚える。
生きている人間に対するよりもシンパシーを感じてしまう。


『ハルナ』と付き合っている(?)『観音崎』は
女性とヤルことしか頭になく、
友人の『小山ルミ』は一種のニンフォマニア、実益を兼ねて援交にいそしむ。

『ルミ』の姉『フユ』は過食症で(おそらく)引きこもりのBL大好きオタ。

『一郎』と付き合っている(?)『田島カンナ』は
イケメンと交際している自分を演出するのに懸命と、
殆どの登場人物はエッヂが立っている。

オマケに高校生にもかかわらず、喫煙・飲酒・深夜の徘徊は当たり前、
挙句にクスリにも手を出し、
場所を選ばずセックスをしまくるなど、
も~何をやってるんだか。


「死」に纏わる小さな事件が幾つか、そして大きな事件が起き、
彼等彼女等は川べりの暮しからの変化を余儀なくされる。

が、それは、「青春の旅立ち」などと表現できる
良い印象のものではけしてない。


劇中で主な登場人物に対してのインタビューが
ドキュメンタリーの様に挟み込まれる。

しかしそれは突き放した感のある、
神の視座に立ったもの。

神は骰子を振らないと言うけれど、
起こる事件のあらましの全てを知った上での
おためごかしのヒアリングにも思える。

勿論、登場人物各々の背景を説明し、
人となりを強化する意味合いもあるのだが。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


〔私の男〕では脱ぎ切らなかった『二階堂ふみ』が
本作ではぺろんとおっぱいを晒している。

それが全然エロくないのは
役どころからして正解かもしれないが、
矢張り同一作者の〔ヘルタースケルター〕でも『沢尻エリカ』が
おっぱいを出したことを勘案すると
次の『岡崎京子』の映画化が待たれてならない。

次は誰がキャスティングされるんだろう。わくわく。