RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ロスト・バケーション@TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 2016年8月1日(月)

封切り十日目。

席数138の【SCREEN3】の入りは二割ほど。


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こういったワンシュチュエーションものでこそ
背景の描写は重要。

「鮫」映画の嚆矢である〔ジョーズ〕は
主要な登場人物だけでも三人いるため
個々人を描くためにもたっぷりの時間を消費し
全体で120分の尺。

一方で本作は、一人の女性に収斂するも
90分弱の短尺に納めるには
かなりの要領の良さが必要。


直ぐそこに岸が見える入り江で鮫に襲われ
小さな岩礁に取り付いた一人の若い女性サーファーが
どうやって独りで危地を脱するか。

昼夜を越えて行方不明になっているのに
何故助けが来ないのか?

鮫のファーストアタックを逃れた時に負った傷に
どう対処するのか?

何れも彼女の過去や直前の状況が影響しているわけだけど
映像上での説明もこなれ、非常に納得感がある。


出そうで出ない
出なさそうで出る。

或いは水の底から海面を見上げるショットは
先達でもお馴染み。
やはり本作でも恐怖を煽る装置として
十分に機能している。


なんだかんだ言って、かなりハードな脱出譚は
凡庸なスリラー顔負けの緊張感。

最後まで息つく暇なく
手に汗握りっぱなし。


オマケに、ヒロインが徹頭徹尾
痛い目に遭わされる。

さすがに鮫に襲われたことはないけれど
彼女が遭遇する痛みの幾つかは
自分も体験済み。

その度毎に往時のコトを思い出し、
顔を顰めてしまった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


「GoPro」が物語の鍵となるガジェットとして登場したり、
或いは「Uber」が会話の端にのぼったりと、
時代を曖昧にすることなく、
これはあくまでもイマイマの
身近に存在する恐怖のオハナシ。