RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

#マンホール@TOHOシネマズ川崎 2023年2月11日(土)

封切り二日目。

席数542の【SCREEN5】の入りは一割ほど。

まぁ、主演俳優目当ての人は
この後の
舞台挨拶付きの回に行くだろうから、
この入りはある意味納得。

 

結婚式の前日に、会社仲間からのサプライズパーティ。
気分良く酩酊し、ややふらつく足取りで帰宅途中に突然意識を無くし、
気が付けば、どことも判らぬマンホールの底で覚醒。

知人に電話を掛けても何れも応答は無し、
位置情報を頼りに助けを求めても、
なぜかしらの行き違いが生じる。

有毒なガスは噴き出し、あまつさえ
突然の雨も降り出す弱り目に祟り目。

堕ちた際のケガで
右足は使い物にならない状況で
果たして主人公は、この窮地から
脱出できるのか?との
{ワンシチュエーション・サスペンス}。


似た設定は過去作にもありで、
〔[リミット](2010年)〕は拉致され
棺桶のような木製の箱に閉じ込められ、
砂漠の中に埋められた男が主人公。

犯人の動機は勿論
自分が何処にいるのか
何故こんな目に遭うのかも不明。

身動き取れない空間で、しかし下手に動くと
箱の中に砂が入り窒息の危険が。

周囲からの音をヒントに
携帯での会話を頼りに脱出を試みるも、
バッテリー切れにも直面。

果たして主人公は・・・・、との
シチュエーションだが、
どっこい本作は類似の要素に、
更に一捻り、二捻りを付加。


文明が進化した分、講じる手段も増加。

動画を撮り、SNSに投稿と今時っぽい手段で
二転三転ありつつ、
元カノ『舞(奈緒)』のサポートも受けながら
『川村(中島裕翔)』は次第に
自分が今居る場所と、この様な事態に追い込んだ犯人に迫って行くのだが
最後に提示されるのは驚愕の真相で、いや~これは全く想定不可能。

脚本の『岡田道尚』の手腕が冴えに冴える。

ヒントすらも寡少だし、
ご都合主義の設定も二~三ありはするものの、
全体を通した語り口の良さと、
急転直下の結末に
それらは目を瞑ってしまおう。

百分尺を、ここまでの濃密なストーリに
練り上げたことに、ただただ喝采


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


冒頭、ネタバレのツイートやSNS投稿を
遠慮願いたい旨の告知が提示。

観終われば、なるほどこれは
一つのワードが決定的なヒントになり、
制作者側が周到に仕掛けた謎がバレ、
物語りの醍醐味が損なわれるからと納得。

事件の動機は切なく、
窮地に陥った主人公が
真っ先に警察に連絡をしないのは何故との、
明確な説明にもなっており。

人を呪わば穴二つ、とは
よくぞ言ったもの。