昨年は、どうにも時間が合わず、行けなかった。
今年も事前予約は必要ではないので、
自分の都合さえ調整すればなんとでもなるのは有り難い。
公式サイトも用意されているが、
先ずは作品と向き合い、
帰宅してから確認をするのは毎度の流れ。
【本館4階】に入って直ぐの場所に置かれている
『齋藤愛未』の〔遠神恵賜〕に圧倒される。
「瞽女」を描いた作品と思われるも、
しかし、その中でn.geidai.ac.jp/2022/の女性は我々が知識としている姿かたちとは
少々違っている。
半分背中に掛かった編み笠は光背にも見え、
神聖ささえ感じさせ。
続いて『菊池玲生』の〔絵と画(遠心分離)〕は
日本画の有名どころを含め
古今東西の名画のコラージュ。
今、我々が観ている多くの作品は
これらの礎の上に成り立っていることに思い至る。
その斜向かいには『坂口真理子』の〔世界のひとつ〕。
セルフ・ポートレイトや自画像の展開の試みと見た。
部屋の中の写真には、思わぬ所に鏡が置かれており、
そこに唐突に作者の顔の像が浮かぶ。
それがほぼほぼ正面を向いているものだから
違和感がありまくり。
どこに鏡が置かれているのだろうと、
捜す楽しみもあり。
『大谷陽一郎』の〔ki/u〕は
近寄って見てぶっ飛んだ。
抽象画にも見えるが
白っぽい部分は升目にびっしりと漢詩が書かれている。
その細かさたるや・・・・。
掛けた労力に想いをはせてしまう。
【本館地階】の{工芸}も素晴らしい。
何れも「漆」を使った
『馬莉』の作品は愛らしい、
『池庭旼』の作品は張り付けられた「螺鈿」の効果で
繊細にして大胆。
「保存修復」のパートでは
『川上椰乃子』の〔都市群鳩〕が面白い。
『川端玉章』の〔雪中群鴨〕の模写をすることで
それを本歌とし、自身の現代的な作品に昇華させている。
良い意味で笑ってしまった。
いや~、今年は収穫の多い展覧会だった、と
満足。
勿論、校内の他所でも展示はあるので
全てを回りきれてはいないけれど。
会期は~12月18日(日)まで。