RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

OKETA COLLECTON: A NEW DECADE@スパイラルガーデン 2020年7月26日(日)

Webで事前予約、入場時には手指の消毒と検温。
最近あるあるなスタイルも、場内に余裕があれば
フリの客も受け入れているよう。


その場合は連絡先の申請が必須も、
みなみな正直に申請しているのかはちと疑問。

なので、事前の想定では、この手のアートの好事家ばかりと踏んでいたんだが、
鑑賞スタイルを見るとどうやらそうでもなさそう。

 

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昨年4月の” LOVE@FIRST ”にも行っており、
やはりこれは見逃せないイベント。


今回のキュレーションも『児島やよい』。

出展作家数は二十一で、大作が多し。

中でも『松山智一』の和と洋が混交した一枚に目が釘付け。
伝統的な要素を持ちながらもポップ。
前に立つだけで心が浮き立つよう。


会期は~8月10日(月)まで。

http://oketacollection.com/

「緑陰図書館2020」松本秋則+高橋啓祐@BankART Temporary 2020年7月24日(金)

標題館は【旧横浜銀行本店別館】の跡地。

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建物自体が「歴史的建造物」。

館内は広く天井も高い。

それがせいかコロナ対策はかなり緩め。

入り口の案内もこんな感じで。

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中に入れば作品と共に
テーブル+椅子が数か所に。

内部は涼しく、避暑を兼ねてだろうか
談笑する数組。


竹と和紙で作られた構造物に音と映像がプラスされるインスタレーション

都会のさ中に居ることを束の間忘れてしまう
清涼な風をふっと感じる。

安らぐなぁ~。


会期は~8月2日(日)まで。

渡辺篤「修復のモニュメント」@BankART SILK 2020年7月24日(金)

四か所ある「BankART」のうち、標題館は初訪、
場所は【シルクセンター】の一階。

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入館すると先ずは手の消毒、そして検温、更には
連絡先カード(氏名/電話番号もしくはメルアド)の記入。

事前予約の場合、メルアドは必須だけど、
入館時に記入を求められたのは初めて。

まぁこれも、クラスター対策ね。

 

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標題展は「アイムヒア プロジェクト」のサブタイトル付き。


「ひきこもり」や「いじめ」に
来場者がいやがおうにも向き合わざるを得ない仕掛けの《被害者と加害者の振り分けを越えて》には共感。

コーナーの入り口には「入場できるのは他人を傷つけたことのある人のみ」との注意書き。

人は傷つけ傷つけられながら生きる種族だから、基本誰でも入場権はあるものの、
こうして改めて突き付けられると、幾つかの過去の記憶も甦る。

中に一歩踏み入れば、足元のコンクリートパネルに
みしりみしりとひびが入って行く。

ああ、こうした何気ない行為ですら(人を)傷つける可能性があるのだな、と
思うと同時に自身の心にも響く痛み。

壁面に飾られているのは壊されたコンクリートパネルを金継ぎで修復したもの。
何らかの形で、一度崩れたココロも再生することができるのだろうか。


コロナ禍のため会期が変更になり今週末の日曜が最終日。

 

コンフィデンスマンJP プリンセス編@チネチッタ川崎  2020年7月23日(木)

封切り初日。

席数284の【CINE5】は、一席置きの案内だと142席だが
ほぼほぼ満席。

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こまごまとした仕掛けの先が読めてしまい、
前作ほどのインパクトには欠ける。

いや勿論、全てに見当が付いたわけではなく、
誰にどんな役割を演じさせるのかは
正直かなり予測できなかったのだけど。


こちら側もこの一年間に
TVドラマ版の再放送や
直前の7月18日に放送された前作を『春馬』くん哀悼も込めて見て
きっちり復習する努力を重ねていた(笑)。

繰り出されるレッドへリング
過去のコンゲーム作品で使われたネタから
そうはみ出してはおらず。

また隠し玉的な、新たな登場人物を出さなかったこと等も
背景にはあるだろう。

が、騙しで鬼面人を驚かすのは、本作の魅力の
四割程度しかないのでは?と
観終わって改めて感じる。


長澤まさみ』は相も変わらず弾けまくり。
「十七歳JK」のコスプレをするわ、
直近公開の〔MOTHER マザー〕とは真逆の
「若くて美人のお母さん」を臆面もなく演じたりで。

詐欺は元々犯罪も、更なる悪人から金を巻き上げる爽快感とは一味違う、
水戸黄門〕的なカタルシスの結末も味わえる。

小ネタもたっぷり、例えば
特にオープニングのシークエンスで、
これから起きることを予感させる内容「Crazy Rich」を
看板に店名として盛り込んだり。

最早お約束、エンドロールで「はて?
この人物はまだ出てないはずだし、この要素はまだ使われていないけど?」と
疑問に思わせ、どんとボーナストラックを出す外連味もある。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


ただやはり、少々の物足りなさを感じてしまうのは
脚本の造り込みの弱さ。

これはしてやられた、と仰け反らせるギミックが一つでもあればと望むのは
無いものねだりか。


 

ShinPA-NIPPON-東京展@佐藤美術館 2020年7月19日(日)

本日最終日。

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エントランスのエレベーター前には
消毒用のアルコールと除菌ペーパー。

各階の入り口ドアは開け放たれ、
自分の滞廊中には他の来場者の姿を見ず。


計十六名の作品が展示も
何れも共通タイトル通り「日本」を感じさせるモチーフ。

本来なら「東京五輪」が開催されるタイミングだったのよね、
メイン会場も至近だし。


例えば『堤岳彦』の歌舞伎の隈取に題を取った三作や、
『高橋祐次』の「桃太郎」にRPG的な衣装を纏わせた二枚にそれは顕著。


もっとも自分が一番面白く観たのは
『高岡香苗』の描く龍。

すっとぼけたような眼に、歯並びは乱杭で、
毛も真っ白、老いさらばえ、神通力も発揮できないんぢゃ?と思わせる見目。

でも抗い難い愛嬌が堪らん。


また『平良志季』が描くユーモラスな妖も、
相変わらず楽しげで。

 

sato-museum.la.coocan.jp

 

Summer Art Sale 2020@Bunkamura Gallery 2020年7月19日(日)

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類似の催しが二回続く。

基本、即売会なので
添えられたプライスカードには
市場価格とセール価格が併記。

幾つかの作品には赤丸シールも、
先月~今月で開催された”入札制オークション”と
被っている作品も多い印象。


会期は~7月29日(水)まで 。

www.bunkamura.co.jp

ステップ@109シネマズ川崎 2020年7月18日(土)

封切り二日目。

席数118の【シアター3】は半分の案内だと59。
その七割は埋まっている感じ。

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物語り世界にひたりながら、
頭の片隅で我が身の過去を想い起こす。

妻が二人目の子供を出産した時はどうしてたっけ?
妻が突然の病気で入院した時はどうしてたっけ?

義母に協力してもらい、田舎の両親にも来てもらい
何とか乗り切ったかな。

それでも最初の数日間は、自分独りだけで幼子の面倒を見ていたなぁ。
会社を休んだり遅刻・早退をしながら(今みたいにフレックスや半休など無い時代)。
大変だった記憶だけが残っている。

でもそれは、先が見えていたから頑張れた。


本作の主人公は、妻を亡くした後に、
親戚からの救いの申し出をやんわりと断り、
幼い娘を独力で育てる決意をする。

十年続くのか、十五年続くのか、気の遠くなる時間。
いか程の無謀な判断かを後々思い知ることになる訳だ。


しかし周囲は何処までも優しい。
父娘を時に厳しく見守り、『健一(山田孝之)』の選択を後押しする。

他生の縁とは言え、肉親ならまだしも
赤の他人の為に泣いてくれる人の数は現実にはいか程か。

事情を理解し、自身の時間を割いてくれる人は
どれほどか。

多くの善意の人々に助けられ、娘の『美紀』は文字通り、
『健一』も人間として大きく成長する。


原作は連作短編とのことで、映画もそれをなぞるように進行する。

なので幕と幕の間で大きく時間が流れ、ややの違和感。

前のシーンの感動が唐突に断ち切られ、
余韻が繋がらないのは残念な編集。

それでもコミカルなシーンを折々に挟み、
時々のエピソードにはほろりと涙する。

特に小道具と、それを経年で使った演出が抜群に上手く、
情景を見るだけで家族にどのような変化が起きたのかを語らせる
優れたカット割りも嬉しい。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


いや~、それにしても、
この手の感涙を搾り取る系って、観終わって
場内が明るくなった時に、なんとなく面はゆい。

まぁ、自分以外にも落涙している客が多く居るのは、
物音等で判ってはいるのだが。

他の人と目があったりすると、
ちょっとどぎまぎするよね。