RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

脳内ポイズンベリー@TOHOシネマズ 川崎 2015年5月14日(木)

封切り六日目。
席数335と標題シネコンの中で二番目にキャパのデカい
【SCREEN6】の入りは二割程度。

客層は比較的若い女子連れが中心で、
次にカップルなんだが、男子は引っ張られて
来ている印象。

イメージ 1


その設定が頗る斬新、と
世間では言われているようだけど、
ウディ・アレン』が
ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせに
ちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう〕の挿話
〔ミクロの精子圏〕の中で、似たコトをやっている。

ただ、当該作では司令塔は一人だけだったと思うけど、
命令を下す各部位に相応しい俳優を当て、
放出される精子一つ一つにもキャラクターを割り当て
その内の一つには『アレン』自身が扮し、
気弱そうな、ひ弱そうな体躯もそのまま演じているのは
爆笑モノで、必見の一作なのだが、取り敢えずは置いておく。


とは言っても、本作の面白さの源泉は
やはりその設定~脳内に五つの思考体が居り
その合議によって主人公の行動が決定する~
にある。

ポジティブ・ネガティブ・理性・衝動・記憶による会議は
都度都度紛糾し、互いに罵り合い、時に掴み合い、
過激な一部を幽閉する事態まで起きる。

いや~女性って、頭の中でこんなコト考えてたんだ。
原作者は少女漫画家だから絶対間違いない。

自分としては聞いているだけで爆笑の連続で、
高頻度で声を上げ笑ってしまったんだけど
周りの客の反応はそうでもない。

連れがいると、時たまピー音さえ混ざる女子の本音の連射は
恥ずかしさや遠慮が出てしまうんだろうか、あまりにもリアル過ぎて、
と勘ぐってしまった。


が、一方で、監督は
男性の目を相当に意識した造りもしている。

真木よう子』の大きな胸がゆっさゆっさと揺れるシーンを
下から、しかもスローモーションで処理したり、
モザイクが掛かってはいるものの、全裸から服を着るシーンを用意したりと、
どちらの性に目を向けて創っているのか
良く判らん。

ま、自分としては、両方楽しめたから
いいんだけどさ。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。


主人公の『櫻井いちこ』は、ダメ男にばかり引っ掛かり
このまま過ごして行けば、行く先はDVの被害にも遭うんじゃ
と思わせる主体性のなさ。

それもこれも脳内の会議体がぐずぐずのためだが、
全てをひっくるめて一つの人格だから、
描写としては一歩退いたカタチになっている点にだけは
違和感を持ってしまった。