RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

イニシエーション・ラブ@チネチッタ川崎 2015年5月23日(土)

本日が封切り初日。
席数532と当該シネコン最大の【CINE 8】の入りは四割ほど。

客層はカップルが圧倒的だけれど、
中高年のオジサンが単身での来館も多く、
しかも高頻度で頭髪が相当に後退しており
自分のコトはさて置き『前田敦子』のファン層って
こうなのか?そうなのか?


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原作は勿論、読了
そして、「ラスト5分で全てがひっくり返る」とか
「原作とは異なる結末」とか
「あなたは必ず2回観る」等の煽りにも惹かれ、
ふらふらとやって来る。

それにしても『乾くるみ』、〔カラット探偵事務所の事件簿〕などでも、
最後の頁で捻りの効いた事実が提示される、
てなコトを変わらずやっている。

確かに、ビジュアルの無い紙だから成り立つテクニックを利用した
読者の気づかなかった(或いは、気付く必要の無かった)コトが
表に出される訳だけど〔イニシエーション・ラブ〕は「本」と言う
体裁自体を逆手に取っているわけで、このレベルの驚きは
そうそう再現できるものでもないだろう。

その意味で、『堤幸彦』がどのように映像化するのか
との興味も勿論あった。


本編が始まってから十分ほどで、
成る程、そう来たかと、今回の仕組みが理解できた。

う~ん、これは制作者サイドは上手く立ち回ったね。

以降は原作をほぼなぞるように展開する。

観客をミスリードさせたり、
勝手な思い込みを持たせる科白や(映画ならではの)シーンも都度挟み込まれる。

しかし、これで、最後にどう収斂させるんだろうと思っていたら・・・・、
は~っつ、こう来たか。先の惹句の前二つは、確かに当てはまる。

ただ、丁寧な振り返りのシーンが用意されているので、
「二度観る」人は過少かも。
商売っ気が無いなぁ、もっと不親切にすれば良いのに
と、老婆心ながら思ったりもする。


原作を読み終わった時の驚愕の次に覚えた感想
「女ってこえ~」を極大化して提示するラストシーンなんだが、
これにイマドキの『前田敦子』が
ぴったりと嵌っている。素晴らしいキャスティングだ。


評価は☆五点満点で
原作を未読の人には☆☆☆☆、
読了の人には☆☆☆。


原作では各章のタイトルとなっている往時の曲が本編で都度流され
モテキ〕を思わせる造りだが、
構成的には良い。

前田敦子』にCGで花を背負わせる等の描写も、
どこまで真面目に考えたのかはしらんが、思わず笑ってしまう。

エンドロールでは、80年代の文物と
それに纏わるエピソードも流れ、さながらクロニクルの装い。

複数の要素で、かなり楽しませてもらった。