RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

響-HIBIKI-@チネチッタ川崎 2018年9月23日(日)

封切り十日目。

席数129の【CINE2】の入りは六割ほど。

多少の色眼鏡で見ているせいか
来場者にはアイドルオタっぽい人が多いような印象(笑)


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昨今のアイドルにはとんと興味を持てずにいるので
かまびすしく巷間語られているあれこれには惑わされず
坦懐に作品自体と向き合える自信。

それでも今回は事前情報がちと多すぎたかな、
主演女優のインタビューも読んじまったし。


が、総合して判断すれば、所謂アイドルものとは一線を画す上々の出来。

それは主人公のキャラクター設定に負うところが大きく
主演の『平手友梨奈』はかなり巧く演じていると言って良い。

が、科白や動きがさほど多くなく表情も単調、加えて
ややアスペルガーがかったエキセントリックな振る舞いが
本人の地とぴったり合わさっていた可能性は否定できず、
表現者としての真価は二作目以降に問われるだろうけど
果たして彼女にその気がるかどうか・・・・。


15歳の天才少女作家『鮎喰響』の振る舞いにに
振り回される周囲の大人のカリカチュアライズされた言動が
見所の一つ。

俗に言う大人の解決法は彼女には全く通用せず、
予期せぬ反応を目の当たりにする度に右往左往する。

もっとも『響』の言い分は実は頗る正当で、
言葉による暴力とフィジカルによるそれにどの程度の違いがあるのかと
ここでも取り上げられたテーゼが
再び出てくることに微苦笑してしまう。


また主人公の純粋さが、偽善は傷つけるものの、
真摯な思いに対しては救済を与え、
聖母を思わせる光輪さえ見え
思わずはっとさせられる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


テンポの良いオープニングから
捻りの効いたエンディングまで
脚本も切れているしカメラワークと編集も申し分ない。

監督の『月川翔』の映画は
2016年以降であれば直近の〔センセイ君主〕以外は全て観ているけど
単純なラブコメよりも癖のある作品の方が合っているよう。

以降も選って邁進して頂きたい。