RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

美しい星@TOHOシネマズ錦糸町 2017年6月1日(木)

封切り七日目。

席数113の【SCREEN8】の入りは四割ほど。


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当たらないことで有名なお天気キャスター『大杉重一郎(リリー・フランキー)』が
突如「火星人」として覚醒する。

と、言っても、何かしらの特殊能力を発揮するわけでなく、
番組内で地球温暖化について熱く語るくらいが関の山。

もっとも、嘗ては水が有ったかも知れぬ、
今となっては赤い砂漠状態の火星を勘案すれば、
この熱意に頷ける道理はある。

しかしその言動は次第にエスカレーションし
何時しかのっぴきならない状況にまで至ってしまう。


時を同じくして、
彼の息子『一雄(亀梨和也)』は「水星人」として、
娘『暁子(橋本愛)』は「金星人」として覚醒する。

両人とも、なにがしかの悶着を抱え、しかし
父親の所業とも、特に前者はかかわって来るのだが、
その仔細については腑に落ちない点も多々アリで、
もうちょっとエピソードの整理が必要だったかも。


母親の『伊余子(中嶋朋子)』はディストリビューター商法に巻き込まれるのだが、
その対象アイテムが
地球に生物を存在させている源である「水」に関すものであるのは象徴的。

あくまでも彼女は「地球人」としての役割を
物語上きちっと果たしている。


一つの家族であるのに、
その前世或いは出自が別々なのは何故に?とも思うけど、
考えてみれば普通の家庭であっても、
例え血は繋がっていても、独立した個人の集合体であり、
悪く言えば他人の集まり。

本編でも、冒頭のシーンで家族が最早バラバラの状態である
様な描かれ方もしているし。

じゃあ、家族を家族たらしているのは何なの?との
命題に突き当たる訳だが、
それはやはり、近似のテーマを扱っていた
これをどうしても想起してしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それにしても『三島由紀夫』、
こんなSFっぽい作品まで書いていたなんて
ついぞ知らなかった。

そして本作での『橋本愛』の美しさは
ちょっと比類の無い域にまで達してしまっており
贔屓の筋は、是非とも観るべき一本と断じつつ、
これから先、どんな変化が期待できるんだろうと
正直心配でもある。