RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

メッセージ@TOHOシネマズ錦糸町 2017年6月1日(木)

封切り二週目。

席数159の【SCREEN3】の入りは六割ほど。


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突如として
地球上の12の地域に、謎の物体が飛来する。

アメリカでは「シェル」と呼びならわされることになるそれは
全長460mの巨大さにもかかわらず地上数メートルの場所に静止し、
人智を超えたモノとの想像は容易につくものの
中に搭乗しているであろう存在及びその目的については
杳として知れない。


言語学の権威である『ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)』は
愛娘を(たぶん)小児癌で亡くし、それ以降
学問への興味は薄れてはいないものの、
世俗的な関心を無くしてしまい、
先の事態に直面しても、特段の反応を示さず
何事もなかったように淡々と日々を過ごしている。

そんな彼女の元を訪れた軍からの使者は、
異星人と言語的にコンタクトすることを要請する。


最初の内こそ恐怖心が勝っていたものの、
次第に学究的な興味が増し、ついには寝食も忘れ
彼等の言語の解読にのめり込む。

そして、最終的に彼女が辿り着いた
異星人のメッセージとはどんなものだったのか?


『ルイーズ』が使ったメソッドが正しいモノかどうかは
素人的には知る由もないけれど、
そのアプローチの過程は半端ではない迫力。

鑑賞する側も前のめりになり、
ぐいぐいと画面に引き込まれるよう。

その一連の描写が本作の白眉であり
実は一番の見せ所。

異星人とコミュニケーションを取ることで、
やがて彼女が身をもってする体験は、
倒叙的なエピソードと混在し易く
少々判りにくくはあるけれど、
それこそが本作のもう一つのキモ。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


それらを理解した上で、改めて全編を反芻すれば、
各々のシーンが持つ意味合いも変わって来るし、
同時に『ルイーズ』がする(した?)選択も
正しいかどうかはわからないけれど、
今回の出来事が人生にとって大きなメルクマークであることも理解できるだろう。

もしかしたら彼等は、地球のため、或いは自身のためでなく
彼女のためだけに現れたのかもしれない。