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彫刻―気概と意外@東京藝術大学 陳列館 2016年10月2日(日)

展示数は多くないけれど極めて密度の濃い展覧会。


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先ず目に付いたのは『池島康輔』の〔木花咲耶姫〕。
主人公は記紀に登場する女神の名前。
しかし現代風にアレンジされ
近所に居る品の良い娘さんの様に仕立てられている。

意図的に木目がはっきりした素材を使い
衣服には花の模様を散らせることで
女神の名前「木」「花」を現わしている。

しかし、近寄ってまじまじと見れば
手の甲から腕にかけては血管も浮きだし
結構生々しい。

その描写力は{写実絵画}のようだ。


『井田大介』の作品には笑った。

素材はスタイロフォームを重ねて削り出したもので、
モチーフは〔地獄の門〕〔老猿〕といった彫刻の古典。

どうやらそれをネット画像から拾い上げ
ざっくりと成型している。

外見からも原本は想定が付くものの
まるっきり別の作品として提示されちゃってるんだから。


『井原宏蕗』の作品はここでも観ている。

この時は〔鹿〕だけだったが、本展では〔羊〕や〔犬〕まで。

〔羊〕は同様に糞を素材にできるけど、さすがに〔犬〕はそうは行かず
似た形状のドッグフードを素材に。

ちょっと日和った感アリ。


『伊東敏光』の〔Miyajima787〕も面白かった。

木片を継いで造られた航空機「787」に見えるけど
近寄れば「安芸の宮島」のジオラマになっている。