封切り初日。
席数138の【CINE 3】の入りは四割ほど。
この後の回で、舞台挨拶が予定されているので
そちらに廻る人が多いのだろう。
そちらに廻る人が多いのだろう。

南の島には色んなものが流れ着く。
ちょっと昔なら、さしずめ椰子の実だろうか。
ちょっと昔なら、さしずめ椰子の実だろうか。
盲目の初老の男が独り住む小島がある。
彼の一日は砂浜に打ち上げられた貝を拾い
標本にし、記録することに費やされる。
彼の一日は砂浜に打ち上げられた貝を拾い
標本にし、記録することに費やされる。
綺麗な標本を作るには、死んだ貝ではなく
生きた貝を一旦煮沸することが必要らしい。
生きた貝を一旦煮沸することが必要らしい。
その島に、或る日中年の女が流れ着く。
そのことで彼の抑揚の無い暮らしに
小さなさざ波が立ち、やがて大きなうねりになって行く。
そのことで彼の抑揚の無い暮らしに
小さなさざ波が立ち、やがて大きなうねりになって行く。
どうにもバランスの悪い語り口に終始してしまった。
例えば彼の日々の生活である。
例えば彼の日々の生活である。
盲目の割りには随分と小ざっぱりとしているし
綺麗に整頓されている。
しかし、おさんどんをする人は他には居ない。
綺麗に整頓されている。
しかし、おさんどんをする人は他には居ない。
定期的に島にモノを運んで来る男が一人。
しかし、それ以外の何をするわけではない。
尤も、後々、厄災をもたらしはするのだが・・・・。
しかし、それ以外の何をするわけではない。
尤も、後々、厄災をもたらしはするのだが・・・・。
一方、そのくせ、家の中での彼は常に手探り。
全てのモノが決まった場所に置かれているハズなのに。
全てのモノが決まった場所に置かれているハズなのに。
目が見えないことが観客の側に過剰に描写される。
島の外では不穏な情勢が続いているようだ。
或いは、彼は何をして糊口を凌いでいるんだろう。
或いは、彼は何をして糊口を凌いでいるんだろう。
そう言った背景がキチンと説明されることはなく、
かなりぼやかした描き方に。
かなりぼやかした描き方に。
それらが本作を、どうにも居心地の悪いものにしてしまっている。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
中年の女がとる行動、またはその後
島外から来る複数種の人々がとる行動の
何れもが間尺に合わない。
島外から来る複数種の人々がとる行動の
何れもが間尺に合わない。
エピソードを繋げる為に無理やり造られた様な。
時折挿入される、ややファンタジックなシークエンスを含め、
どうやら無国籍で時代も不確かな
大人向けの童話を創る試みにとれる。
どうやら無国籍で時代も不確かな
大人向けの童話を創る試みにとれる。
それを寛容する人は、善しと鑑賞するのだろう。