封切り初日。
席数290の【CINE 4】の入りは一割ほどとかなり寂しい。
ただ観終わって言えるのは、
必ずしも万人受けする作品ではないのは確か
と言うこと。
必ずしも万人受けする作品ではないのは確か
と言うこと。

前二作がそれなりに評価され
名の通った賞も受けたが、三作目が書けずに
この秋から一般の会社に就職を考えている作家の男が
編集者の妻と伊豆のホテルに滞在するうちに、
不釣り合いな取り合わせのカップルに目が留まる。
名の通った賞も受けたが、三作目が書けずに
この秋から一般の会社に就職を考えている作家の男が
編集者の妻と伊豆のホテルに滞在するうちに、
不釣り合いな取り合わせのカップルに目が留まる。
最初の内は、なんとなくの不可解さを覚える程度だったのが、
或る日目にした光景が、この二人に興味を持ち
過剰なほどのめり込んでしまうきっかけとなる。
或る日目にした光景が、この二人に興味を持ち
過剰なほどのめり込んでしまうきっかけとなる。
それは見ようによっては淫靡とも取れる内容で、
これをどうとらえるかが、本作の好き嫌いの分かれ目だろう。
これをどうとらえるかが、本作の好き嫌いの分かれ目だろう。
また、実はこれが本作のキモとなるエピソードなのに
煽りの都合だろう、多くの媒体で前喧伝されているのは
かなり残念。
煽りの都合だろう、多くの媒体で前喧伝されているのは
かなり残念。
やがて二人と知古を得た作家は、
その間柄を探るううちに、次第に精神の均衡を失って行く。
その間柄を探るううちに、次第に精神の均衡を失って行く。
ただ、この辺の流れも、随分と性急に過ぎ、
もっと時間を掛けて前段階を重ねないと唐突感がありまくり。
もっと時間を掛けて前段階を重ねないと唐突感がありまくり。
半ば以降、不穏なBGMを使い、カメラを意図的に大きく傾げることで、
最初はそうではなかったのに、
男以外の登場人物がミステリアスな側面を見せ始める表現は
ちょっと薄気味悪いほどで好評価。
最初はそうではなかったのに、
男以外の登場人物がミステリアスな側面を見せ始める表現は
ちょっと薄気味悪いほどで好評価。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
やや唐突にも見える幕切れは
実は他に落としようがないからとも思える。
実は他に落としようがないからとも思える。
主線は作家の男の心象風景に在るものの、
実際の狂言廻しは初老の男が担っており、
演じた『ビートたけし』、
ちょっと悲しいペーソスを見せながら
〔アウトレイジ〕とは違った怖さの一面を見せ
かなりの名演であった。
実際の狂言廻しは初老の男が担っており、
演じた『ビートたけし』、
ちょっと悲しいペーソスを見せながら
〔アウトレイジ〕とは違った怖さの一面を見せ
かなりの名演であった。
ではあるけれど、男と女の関係性や設定には
首を傾げる点が多かったのも事実。
首を傾げる点が多かったのも事実。