RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

OPEN SITE 8@トーキョーアーツアンドスペース本郷 2024年1月28日(日)

”Part2”の会期は1月13日(土)~ 2月11日(日)。

 

展示は珍しく【1・2階】のみで
【3階】への階段は封鎖されている。

おそらく、期間限定のパフォーマンスに使用されるのだろう。

 

【1階】の展示は『野村在』による
〔Can't Remember I Forgot You - 忘れたことすら、覚えていない〕。

部屋の中央には綿菓子機、隅の椅子には
白衣を着てマスクをした女性が腰掛けている。

来場者の度毎に女性は機械の前へ移動。
どうやら注文に応じて綿菓子を作ってくれるよう。

機械の周りには出来上がった綿菓子も置いてあるし、
すれ違う何人かの男性は
皆々綿菓子が入った袋を持っていた。

子供の頃、近所の駄菓子屋で
自分で綿菓子を作ったことを思い出す。

ザラメと割りばし、クリームピッチャーが置かれており、
ザラメをピッチャーで掬って入れ、十円玉投入をすれば機械が動き出し、
綿状になった砂糖を割りばしで絡め取り、
ふんわりと形よく仕上げる。

その時に割りばしそのものもくるくる回しながら行うのがコツ。

五円で甘納豆の籤が引けた時代。
十円はナカナカの大金で
そうは通えなかったけど、月に数回の楽しみだった。

そなん記憶が呼び起こされる。

勿論、人によって、過去体験のカタチは様々だろう、
そうした思いが浮き上がって来る。

部屋のぐるりには、ビニールでパッキングされた
色褪せた写真が並ぶ。
これも記憶を刺激する一つの装置なのだろう。


【2階】の展示は
『すずえり』の〔移動について〕。

部屋の中には幾多の裸電球が吊るされ、
人が近づくと灯る仕掛け。

と、同時に音声が流れだし、
近くに添えられた写真やキャプションにも明かりが当たる。

台湾での幽霊のお話や、
カナダでの天災について、
或いはカモメの飛行、など。

何れも自身が移動し
採集したエピソード
録音、撮った写真での構成。

タイトルの通りではあるものの、
不思議と【1階】のモチーフと通底するものを感じてしまう。