封切り二日目。
席数134の【シアター6】は一つ空けての案内なので
実質67席。それが九割方埋まっている。
『英勉』監督の失敗作と断じてしまう。
所謂アイドルを起用しても〔幕が上がる〕のように丁寧に作られていれば
相応の評価もできるのに、
本作では、演技のできない多くの出演者達がただ空騒ぎをし
大声で叫ぶだけ。
おおよそ作品としての体すら成しておらず。
勿論、全体を貫くストーリーらしきものは存在。
生徒会や教師の妨害を避けつつ
文化祭に向けアニメを一本制作するまでの顛末。
生徒会への反発、それに伴う部同士の合従連合、
両親とのしがらみ等も付随して描かれはするのだが、
どれもどうにも納まりが悪い。
わけても「映像研」が目の敵にされる背景がなぁ、
ある様でない様で釈然とせず。
ドラマの放送局は違えども〔踊る大捜査線〕の小ネタ使用、
或いは過剰なまでの『黒澤』作品からの引用などもあり。
特に後者は、冒頭の〔羅生門〕、後半部の〔七人の侍〕、
全体の借景は〔天国と地獄〕などと相当の傾倒ぶりも
くすりとも笑えないのが辛い。
せいぜいがニヤリ程度かな。
更には高校名の「芝浜」からの類推だろうか、
落語の〔芝浜〕を意識した科白廻しがこれに付加されるも、
全く笑えず却って聞き苦しいことこの上なく。
人を呼ぶ時に使用する「○○氏」に代表される
ヲタらしいハナシっぷりが混ぜられても、
使用シーンに一貫性が無いので居心地が宜しくない。
評価は、☆五点満点で☆☆☆。
そう言えばと思い出すのは〔あさひなぐ(2017年)〕。
こちらも『英勉』×『乃木坂46』で、
配給は「東宝映像事業部」じゃなかったか。
駄目なんじゃないか、この組み合わせは。