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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ヒグチユウコ 展 CIRCUS@世田谷文学館 2019年3月30日(土)

一般の入場料は800円だが招待券を頂いた。

たぶんこのようなことがなければ降り立つことのない【芦花公園】。

東京での暮らしも随分と長いけれど、初めて改札を出た駅の一つだね。

花見目当ての人が多いのか駅周辺はなかなかの賑わい。


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それもあってか会場内は大変な混雑。

客層はほぼほぼ女性で、子供連れの比率も高い。
男性の姿はあまり見かけず。

しかし件の子供達も、その仕掛けや
お母さんからの「可愛いでしょ」の声に助けられ、最初こそ
気合が入っているものの、ほどなく「帰ろうよ」と言いだす。

だって彼女の作品の根底に潜むのは
耽美や薄気味の悪さだもん。

お子達はそれを敏感に感じとるんじゃない?と
思ったり。


しかし、ペンを使って描かれた精細な画風と
モチーフの多くは個人的にはとっても好きな部類。

若冲』や『宗達』を取り込む遊びココロも含め
激しく共感。

更に先に挙げた薄気味悪さは、ホラー映画を扱った作品のパートで頂点に。

直近だと〔ヘレディタリー/継承〕を素材にしたものとか。

或いは、多くの人が首を傾げて覗き込む
タイトルも書かれていない双子の画は
キューブリック』の〔シャイニング〕リスペクトだよね。

部屋の番号「237」や床に置かれた斧などなどと、
ご本人の嗜好がモロに現れている。

或いは、少女と鰐が描かれた作品の前では
会田誠』の〔大山椒魚〕を勝手に想起しちゃうし、
宇野亜喜良』と通底する部分もふんぷんと感じる。


そんな中でも異色を放っていたのは
学生時代に描かれた作品のコーナーで、
立ち止まる人もおらず、空き空きの空間。

しかしここでも、『シーレ』のようにごつごつとした感触での表現が
かなり好みだったりする。