RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

殿、利息でござる!@TOHOシネマズ川崎 2016年5月14日(土)

本日初日。

席数158の【SCREEN3】は満員の盛況。


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原作は『磯田道史』による
〔無私の日本人〕に所収の一篇
〔穀田屋十三郎〕から。

原作者も2シーンほどカメオ出演しているけど
それは置いといて、例によって実話を基にしている。


「無私の」とあることから判るように
本編では感動的なエピソードが畳掛ける様に続出する。

監督は『中村義洋』だから、
間をつなぐように、笑わせるシーンや科白を要領良く入れ
心地好いテンポの作品に仕上がっている。


ただ心配なのは、「昔の」「日本人は」「素晴らしい」などの
勘違いな文脈が出て来ることで、
貧しい村を救うのは素晴らしい行いだけど
じゃあ貧しくさせたのは為政でしょ、ってハナシ。

清貧の思想者も居たろうけど、それよりも私利に走る人間が
特に為政者の側に多かったからこうなっているわけで、
それは現代でも一緒。

「税金は大切に使いましょう」と訓示しながら
自身については杜撰なコトをしているどこかの知事だって同様。
パナマ文書」にしたってまた然り。

昔は美しい心の人が多かったから、揺り戻そうなんて
危ない危ない。
イマイマだって震災が起きれば、ボランティアは集まるし、
義捐金や物資だって全国から寄せられる。

ステレオタイプに観てしまうことこそキケン。


まぁ、監督自身はそんなコト考えてもいないだろうし
笑って泣かせる一本を作ることに注力したんだろうけど、
意図的に曲解して利用する人も居るからね。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


大河ドラマ真田丸〕で奔放な『茶々』を演じる『竹内結子』だけど
此処でも妙に気風の良い めし屋の女将を好演。
シリアスよりもこっちの方が生きるんじゃないか。