RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ターミネーター:新起動/ジェニシス@109シネマズ川崎 2015年7月19日(日)

封切り九日目。

席数89とやや小さめの【シアター8】は満員の盛況。


本シリーズ、〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕はリアルタイムで劇場で鑑賞。
特に〔Ⅰ〕については
役者と監督の両方をスターダムに押し上げただけあって傑作
(でも、実際は評価の浸透には時間が掛かったように記憶)。

〔Ⅱ〕についても「柳の下」との事前予想を覆す上々の出来。
でも〔Ⅲ〕以降はねぇ・・・・。
予告編からしてダメダメな感じで、地上波ですら見ていない。

元々こういった続きモノって、〔エイリアン〕は〔Ⅲ〕以降ぐだぐだだし、
BTTF〕の〔Ⅱ〕は酷いモノだった。


で、本作。最初はあまり食指が動かなかったんだけど、
世間の評判がめっぽう良い。

だったら、と、どっこいしょ、と
重い腰を上げた次第。


イメージ 1



物語りは〔Ⅰ〕の前日(とゆ~か前時)譚から始まる。
『カイル』が『サラ』を護る為、
1984年に旅立つ直前。

しかし、転送された場所で、待っていたのは
〔Ⅰ〕や〔Ⅱ〕で起きたことをひっくり返すような
驚愕の出来事。


勿論、登場人物達には、初めてのコトだけど、
我々は過去作品で既に予習済み。

しかし、それをくつ返す
痛烈なエピソードが観客の側を待ち構えている。

これはすげ~わ、色んな意味で。

要は〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕を混交した後 本作に繋げ
元々有った〔Ⅲ〕以降はなかったことにし、
今後シリーズ化して行こうと言う、
宣言みたいなものだから。


なのでタイムパラドクスなんてありまくり。
甚だしいのは同一人物が会話さえ交わしてしまう。
これは禁じ手だったんじゃ・・・・。

懐かしい科白も随所に取り入れられ
オールドファンには嬉しいサービスが満載。

アクションとドラマ部分の緩急の付け方も良く、
畳掛けるように繰り出され、終わったかと思えば
まだ続きがあったぁ、みたいに驚きに満ちたそれは、
手垢の付いた表現だけど、手に汗握る。

たっぷり楽しませて貰った二時間だった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


元々『キャメロン』は「愛情」を芯に置き、
そこに各種の意匠を被せることで作品を成立させてきた監督。

〔T-Ⅰ〕だって格に在るのは、陳腐なラブストーリーだから。
それが〔T-2〕や〔エイリアン2〕では「母性」を感じさせるものに変って行き、
何と本作では、(監督ではないけれど)「父性」にまで行き付いている。

その為に『シュワルツェネッガー』の現状の外見が
違和感なく受け入れられる仕掛けまで取り入れているんだから、
本シリーズについては
この流れで行くとの決意の表れだろう。