自分にとっての『大巻伸嗣』は黒のイメージ。
勿論、過去に観てきた作品からの印象も、
今回、入って直ぐのスペースに置かれている〔Gravity and Grace〕は
それを大きく裏切るもの。
まず、天井まで届こうかというその大きさと
壺のような形状に驚かされ、
次いでそのものの中から発せられる眩い閃光にたじろぐ。
とは言え、光が強ければ強いほど、
できる影も濃くなるはず。
ある意味、白と黒との鮮烈なコントラスト。
まぁ、唯一の不満があるとすれば
見る側の問題か。
写真撮影可であり、映える画像をUpしたいむきは、
遠くからスマホを構えるだけで、近寄ってみようとはせず。
〔Liminal Air Space—Time 真空のゆらぎ〕は
過去作品の応用か。
薄暗い空間に、シルキーな布が風にあおられ揺らぐ。
天女の羽衣のようにも見えるが、
これも長大、展示室の両の壁にふれるほどの長さ。
もっとも自分は、「松竹映画」のオープニング映像を
想起してしまったが(笑)。
会期は~12月25日(月)まで。
これだけ大規模の展覧会を無料で見せてくれる(しかも、インパクトのある作品群)
作者本人と「国立新美術館」には、感謝の念しかわかぬ。