RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

CLOSE/クロース@チネチッタ川崎 2023年7月17日(月)

封切り四日目。

席数154の【CINE9】の入りは八割ほど。

 

 

是枝裕和』の〔怪物〕でも取り上げられた世界観。
とは言え、両者に通底するものを以って「LGBTQ+」の物語りと
単純にカテゴライズしたくはない。

十三歳の『レオ(エデン・ダンブリン)』と『レミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)』は
兄弟のように育った二人。

始終二人で居ることが当たり前過ぎて、
疑問に感じる余地もない。

加えて、日頃の暮らしでも
スキンシップが濃密な国との背景。

実際に、主人公とその兄は
心に不安があれば一つベッドで寝るし、
肩を抱いて慰めることも。

それが、血が繋がっていないだけで
蔑視の対象になるのは何故か。


疑念を投げ掛けた側にも
どこまでの悪意があったろうか。

無邪気な疑問の発露かもしれず、
或いは、仲の良い二人を嫉んだだけの可能性も。


とは言え、そのことが要因で、
知己の間にヒビが入る。

最初は些細な隙間だったものが、
次第に大きな亀裂となって行く。

しかも、それは一方的に起こり、
された方は突然に距離を置かれたことに混乱し、
修復しようと試み、叶わぬと判れば怒りが募る。

そして悲劇は起きる。


煌めく陽光の中での二人の記憶は
切ない過去へと変わってしまう。

二度と楽しかった日々が戻って来ることはない。

理由も判らず残された側は
原因を探し、且つ自分を責める。

実際は他に要因があったかもしれず、
本当のことはもはや誰にも分らない。

ただ喪失の痛みだけが、永遠に続く。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


幼少期にはありがちな幾つもの感情と、
心の揺らぎを瑞々しく、丁寧に掬いあげた一本との評価。

そして演じた二人の子役の演技が
あまりにも素晴らし過ぎることも印象に残る。