封切り三週目に突入。
席数89の【シアター8】の入りは七割ほど。
先ずは『クリント・イーストウッド』監督の野心作と言っておこう。
以前から何回も書いているように、
その道の達人に演技を鍛えさせ映画に出す手法は確かにアリ。
その道の達人に演技を鍛えさせ映画に出す手法は確かにアリ。
アイドル上がりの下手糞な演技を見せられるよりも、
或いは、演技はできても所作がなってない役者よりも
余程の迫真さを味わえる。
或いは、演技はできても所作がなってない役者よりも
余程の迫真さを味わえる。
もっとも役者さんの中には、練達に迫ることができてしまう人が
中には居るのだけれど。
中には居るのだけれど。
おっと閑話休題。なぜに野心かと言えば、
事件の当事者達をできうる限り呼集し、
自身の役をやらせ(変な表現だが)、
加えて実際にテロが起きた路線・電車を使い撮ってしまうとゆ~、
常人ならとって思いつかない豪胆さ。
事件の当事者達をできうる限り呼集し、
自身の役をやらせ(変な表現だが)、
加えて実際にテロが起きた路線・電車を使い撮ってしまうとゆ~、
常人ならとって思いつかない豪胆さ。
でもこれはある意味賭けだな、と。
とってもダメダメな作品に堕す危険性は当然孕んでいる。
とってもダメダメな作品に堕す危険性は当然孕んでいる。
で、実際のところどうだったか?
やはり演技の面では今だしの印象。
表情や動きがぎこちない。
表情や動きがぎこちない。
一方で面白かったのはラストの叙勲の場面。
実際のニュース映像が併用されているのだが、
まるっきり違和感がない。
まるっきり違和感がない。
当たり前だよね、どちらも本人が映ってるんだから。
まさかこれをやりたいが為の一本じゃないよね、と
ついゲスの勘繰りをしてしまう。
ついゲスの勘繰りをしてしまう。
それほど本編には、際立ったエピソードも
特段のサスペンスもない。
特段のサスペンスもない。
テロ事件の顛末は、あっという間にケリがついてしまうので
そこに至るまでの経緯で引っ張る引っ張る。
そこに至るまでの経緯で引っ張る引っ張る。
しかし、それ自体もさほど印象的な出来事があるわけではなく、
何事かを成し遂げるために生かされている、等の
妙に宗教的な科白が頻出し、正直ちょっと辟易。
何事かを成し遂げるために生かされている、等の
妙に宗教的な科白が頻出し、正直ちょっと辟易。
市井のヒーローに焦点を当て掘り起こす、との
最近の時流に乗った一作ではあるけれど、
物語化自体が正しかったかと、思わず首を傾げてしまう。
最近の時流に乗った一作ではあるけれど、
物語化自体が正しかったかと、思わず首を傾げてしまう。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
監督のやる気だけが空回りしてしまった印象。
直近の数作に比してもその不出来さは明らかで
九十分ほどの短尺であるにもかかわらず冗長な場面が多々。
九十分ほどの短尺であるにもかかわらず冗長な場面が多々。
なにせ時間の殆どが過去の、彼らの人となりの描写に費やされているんだから。