RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

亜人@TOHOシネマズ川崎 2017年10月1日(日)

封切り二日目。

席数542の【SCREEN5】の入りは五割ほど。

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原作コミックは既読。
とゆ~か、11巻を越えて継続中。

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どんな風に映像化するのかが楽しみでもあった。


結果はかなり極上のエンタテインメント。

人間ドラマの部分を大幅に切り捨て
主軸となる二人の「亜人」の対立に絞った展開が吉と出た。


従来の、所謂「不死身」ものは、しかし必ず死に至る弱点が。
「ドラキュラ」なら太陽に当たれば死ぬし、
高橋留美子』による〔人魚〕シリーズも、再生力は強いものの
首を刎ねられれば死んでしまう。

しかし「亜人」はカラダの一部分が残っていればそこから全身が再生。
一方で、完全に死ぬまでは、欠損したカラダの部位はそのままなのと
睡眠薬は効いてしまう弱点も。

以上が基本のお約束。
それらを上手く使って
どういった見せ方をするのかがキモになる。


もう一つは自己のカラダから放射する(常人には不可視の)黒い粒子により
カタチ造る「IBM」の存在。

これが殺陣を重層化する。


勿論、幾つかの恨みや齟齬は当然ある。

例えば『永井(佐藤健)』と『佐藤(綾野剛)』が反目するに至る経緯の描写や
逆に『戸崎(玉山鉄二)』に組することを判断するまでの心の動きがそれに当たる。

そして攻防の鍵となる致死性のガスを
そんな毀れ易い容器に入れて置くんじゃね~、との突っ込み(笑)。

『佐藤』の行動の動機も、長期間の拘束だけでは
どうにも説明力が弱い。


が、それらを差し引いても
作品としての面白さは十分に担保されている。

評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


ナチス」が嘗てそうであった様に、
国家も個人も利益の為であれば平然と残虐に成れる恐ろしさも併せて描く。

ただただ単純なアクションのみに収斂していないのも好ましい。