RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ドリーム@TOHOシネマズシャンテ 2017年9月30日(土)

封切り二日目。

席数224の【CHANTER-1】は満員の盛況。

客層はやや高齢に振れ、隣に座ったご夫婦が
「やはりテレビの影響は凄いね」と会話していたので
複数のメディアで取り上げられたのかしら?


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同じ題材を扱った『フィリップ・カウフマン』による〔ライトスタッフ〕が表だとすれば
本作はその反対、華々しく光があたるヒーローに比して
こういった取り上げ方をされなければ人知れず消えて行ったであろう
裏方のヒロイン達に焦点を当てる。

もっとも内容が内容なので、
先に挙げた作品と出来事の多くは被ってはいるのだが。

制作者サイドもそれを意識しているのかもしれない、
近似の描写が印象的なエピソードで使用されている。


当時のアメリカに於ける二つの大きな障害、
黒人であることと女性であることを
主人公達はどのようにして克服して行くのか。

勿論それは、自己の実力を以って示すほかはないのだけれど
周囲の協力やモメンタムも欠かせない訳で。


マーキュリー計画」と言う国家にとっての一大事業の成否が掛っている場面では
本来なら才能の有る者は性別や人種に関係無く積極的に登用し
ミッションに従事させるべきであるのに
過去からの因習に邪魔されそれができないでいる馬鹿馬鹿しさ。
或いは先入観が邪魔をし、蒙昧な判断を下してしまう。

一方で、しがらみを越えて高みへ登ろうとする当事者達と
偏見にとらわれずに採用する先進的な考えの持ち主たち。

二つが交差した時に時代は大きく動き、
それを目の当たりにした観客は快哉を叫ぶ。

描写や流れは類型的ではあるけれど
やはり涙なしには観られない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


ただ二つの問題は現代にも連綿として続き、
前者は『オバマ』が打ち破ったが、
後者の硝子の天井を『ヒラリー』は壊すことができなかった。

そして日本では、相変わらず差別の問題は根強いのだが。