RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

サバイバルファミリー@チネチッタ川崎 2017年2月23日(木)

封切り二週目。

席数154の【CINE9】の入りは二割ほど。


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「世界から電気が消えたなら」(笑)。

「猫」が消えた作品は、それらが消えた後の世界の描写が
余りにもいい加減過ぎて、とても感情移入できる代物ではなかった。

翻って本作、「電気」が消えた後の考証がしっかりしているので
成る程なぁ、と
唸ってしまうこと頻り。

そうだね、こ~ゆ~世界になってしまうんだね。

思いもしなかったエピソードが頻出し
良く考え付いたものだと素直に感心してしまう。

そう言った点がリアリティを生む。


其処では、生活力を備えている者だけが
生き延びる。

より古い世界に根ざしている人間なわけだけど
そのことをまざまざと示しながら
政治由来ではない所謂ディストピアの中に
仄かな希望も提示する。


冒頭描かれるのは
都市部に住む標準世帯での
かなり目に余る生活。

そうなんだ、イマドキって
こんなコトになってたんだ。

義憤さえ覚えてしまうほどの
自堕落な生活。

ジャンクフードが跋扈し
家族間の会話は希薄で
事物への或いは身の周りの世話をして貰えることへの感謝すら忘れてしまっている。

意図的に、かなりデフォルメして見せているので、
その後の生活との落差は強烈。


都会での共同体の薄い紐帯に比べ
田舎のそれはちと違うとの設定や、
家族間での諍いと融和は
ちょっとステレオタイプな気もするけど、
パンドラの箱」さえ最後には「希望」が残るんだから。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


フードロスが食糧全体の三割にも達する当国では
これくらいの劇薬が無いと変わらないだろうと
目に前に出されたモノは残せない、だから太る一方のおぢさんは思うけど、
こんな世界では真っ先に死んじゃうかも、だって食料調達力、ゼロだもん。