RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

マリアンヌ@109シネマズ川崎 2017年2月19日(日)

封切り十日目。

席数130の【シアター2】の入りはほぼほぼ満員。


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〔モロッコ〕或いは〔カサブランカ〕と
戦場と恋を題材にした映画は過去数多。

それらにオマージュを捧げる様に
本作でもモロッコの砂漠のシーンから始まり
カサブランカで男と女は恋に落ちる。


前半は『ロバート・ゼメキス』の語り口が冴えわたる。

特に冒頭の数分で工作員の男『マックス(ブラッド・ピット)』の置かれた状況を
さらっと描いてしまう手練れには驚嘆する。

そして同じ任務を帯びた女の工作員『マリアンヌ(マリオン・コティヤール)』と
作戦を遂行するわけだが、此処までで全体の尺の半分も使っていない。

えっ、この後どうなるの、と訝っていると
物語は突然変調し、新たなもう一つのストーリーが始まる。


どこかで観た記憶の有る仕掛けだな、と
改めて脳内検索してみると
これって『ヒッチコック』の構成じゃね。

そ~言えば、二人のラブシーンでも
ある特殊な状況下で、カメラはその周りをぐるぐると回るし
すっとその場から外に出て行ってしまう。

勿論、VFXを使ってのコトだろうけど
やはり彼のタッチを彷彿とさせる。


後半部の展開はかなり唐突だけれど、
最初から最後まで描いているのは
実はエスピオナージの悲哀であることが
観終わってから判る。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


ちょっと古い素材を、新しい脚本と技術で映像化すると
こんな良作になるとの好例。

やはり一種の戦争モノだから、高齢者にウケるんだろうな。
その設定の懐かしさも相俟って。