RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

僕らのごはんは明日で待ってる@TOHOシネマズ新宿 2017年1月14日(土)

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封切り八日目。

席数88の【SCREEN8】の入りは満員。


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観ている最中、はて原作は
小説なのかコミックなのかと疑問を持ってしまった。

調べた結果、小説だったわけだけど、
それほどこの作品は映像のチカラが充満している。

些細なシーンでも、
ほんの少し動作が違っているだけで
後々まるっきり異なる意味合いを与えたりと
たぶんに映画的な表現が素晴らしい。

コミックから発展させるのであれば
元々の描写を転用するだけで十分に印象に残せるだろう。

それを文字からこれだけの見せ方にしたのだから
監督の『市井昌秀』、大層な力量と思う。


元々家が近所同士の
『小春(新木優子)』と『亮太(中島裕翔)』の高校から大学卒業までの六~七年間を
日常の何気ないエピソードを積み重ねながら
瑞々しく描く。

その中でもタイトルにある通り
食に纏わるシーンが数多く、
当然の様に食べ方の所作も重要な訳だが、
相当の訓練をしたのだろうか
主演の二人、共に美しく演じている。


そしてもう一つ、会話の妙も本作のキモで
特に『小春』の、一見衝動的とも思える科白に
意表を突かれる『亮太』の反応同様、観客の側も
一瞬置いてけ堀を喰らった様に
ぽかんとした後に笑いが込み上げて来る。


唐突に始まった様に見えた交際にも
実は伏線があり、やはり突然にも見える別れと
その後のかかわりにも、それなりの理由や背景がきちんとある。

それらが全体を貫く切ないティストになって
観ている側のココロを震わせる。

特に終盤、主人公があるモノを抱えて疾走するシークエンスは
その原因になった、或いはそのことを決意させた場面も含め秀逸で
笑いと涙で顔がくしゃくしゃになってしまうこと請け合い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


『小春』を演じた『新木優子』が随分と良い。
前半部の元気ハツラツさと後半部のやつれた感じの演じ分けが
きちんとできており、おまけに見目も麗しい。

モデル出身らしいけど、今後楽しみな女優さんになると思う。