今年もなんとか招待券を入手できたので
会期最終日の前日に駆けつける。
ちなみに一般の入場料は400円。
場内の人の入りはぱらぱらで、
ストレスなく鑑賞できるのは嬉しい。
そして今年は
例年以上に好みの作品が多かったことも
滞在時間が長くなったことの背景。
「江上ゆか 審査員賞」の『中野ともよ』による〔スイカ〕。
キャプションを読むと、なるほど
スイカ割りが想起される。
記憶の片隅に在る、楽しいひと時を
カンバスに再現すればこうなるのだろう。
『天野トロイカ』の〔既視感〕は
『ハンマースホイ』を個人的には想起させる。
勿論、それほど病的ではないにしろ。
同じように『小澤幸歩』の〔Sunshine〕では
〔オランピア〕を。
着衣はしているし、こちらを向く女性の姿態こそ
褐色なのだが。
『福濱美志保』の〔Daylight〕を面白く観る。
ミニチュアの物体を
大きく引きのばした時に感じられる存在感の妙味。
『Finian Richman』の〔内観の果てに〕は、やや薄気味悪い造形。
が、それも含めて、作者のプロフィールが表出し、
自身にはこう見えているとの現れとも。
『VITALFISH』の〔Powerwoman〕も
やはり自身の外見と内面を併せ定着させたものか。
それにしても『モディリアーニ』が描く女性を
丸っこく下膨れにしたら、こんなになるかも。
高濃度で楽しませてもらったが、
これが無料だったことが輪をかけているのは違いない。