RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

MY EYES-TSUBASA SAITOH@DIESEL ART GALLERY 2022年5月28日(土)

標題館に来るのは随分と久しぶり。

一つの展覧会での会期が長く設定されているのは良いのだが、
逆に「次でいいか」と、機会を逃してしまうことも多く。

 

当該展も4月29日(金)~8月4日(木)と長期。

基本、即売を兼ねているので、
作品の下にはプライスも示されており、
一番多いのは13万円ほどのもの。

作者が捉える写真は
無機物が多いのだが、
ぱらぱらと混在する有機物も
随分と無機的に見えてしまう不思議。

緑色の蟷螂の雌の一枚に、
それは顕著に現れる。

トップガン マーヴェリック@チネチッタ川崎 2022年5月29日(日)

封切り三日目。

席数532の【CINE8】の入りは八割ほど。

 

 

パイロットが窮地に陥った時に、
天啓のように降って来る言葉がある。

何れも主人公を危機から救うファクターとして機能する、
ある時は「フォースを使え」、
またある時は「ロシア語で考えろ」。

それが今回は「考えるな、動け」で、
実はこれは、才能もさることながら、
血の滲むような反復練習の結果として、
脊髄反射のように体現されるもの。

その訓練過程が見どころの一つ。
同時にそれを側面支援する最新の技術にも驚嘆するのだが、一方、
人間臭い絆を構築するエピソードの積み重ねとしても面白い。


冒頭のシークエンス、
『ピート(トム・クルーズ)』が極超音速のテスト機「ダークスター」で
マッハ10を目指す一連の導入部で思い出させられる人物がいる。

それは人類で初めて、公式に音速を超えた男『チャック・イェーガー』。

映画〔ライトスタッフ(1983年)〕でも語られたその雄姿と
かなり重なる描写が多々。

彼はその後、「USAF TPS」の校長を務めるなどとの経歴も併せれば尚のコト。


ドッグファイトの場面は勿論だが、
本作のもっとも優れた点は、その脚本の造り込みにある。

前作の設定を上手く引用しながら、
それを肝心なシーンに生かす
所謂、「伏線」と「回収」の手際の良さ。

昨今では
どう見てもストーリーの中の一つのパートに過ぎないにもかかわらず、
褒めそやす言説のために便利に用いられ過ぎているこの二つの単語。

ところがここでのそれは、本当に何気ない、
ともすれば忘れてしまいそうな科白の中に、
ラストの起死回生に繋がる重要な要素として忍ばせてある。

加えて、今もって主人公を苦しめている
前作での因縁を引き継ぎながら、新たな未来への展望を示す装置として。

見事ととしか言いようがない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


戦闘に於いても、自動化やAI化が進み、
やがてパイロットは不要になるだろう、とは
いみじくも劇中で語られている科白。

その養成には膨大な時間と費用が費やされ、
それ故、大事に扱う姿勢が顕著なのはアメリカらしい流儀。

が、不思議なことに、
SF映画でもパイロットの存在は必要不可欠。

自動運転車が実現する世界は早く来て欲しい希望はありつつ、
ドラマを紡ぐ点においては、人の存在が消えることは今後も有り得ぬだろう。

第47回 2022 JPS展@東京都写真美術館 2022年5月28日(土)

一般の入場料は700円だが、
久々に招待券を頂いた。

公益社団法人日本写真家協会」によるコンペティションとのこともあろうか、
かなりの数の招待券が配布されているのかも。

館内は(おそらく)そうひた人達で溢れ返っており、
中には、これ見よがしにカメラを肩からぶら下げている人も。

元々、当該館はそうした格好の人が多いのだが、
それにしても目立つ目立つ(笑)。


入選以上の受賞作は小さめのプリントで、
会員の作品はそれよりも大きく、
各賞についてはかなり大きめの版で並んでおり、
文部科学大臣賞」や「東京都知事賞」は
何れも家族を扱った作品なのは少々の意図を感じてしまうが、
穿った見方過ぎか。

一方「18歳以下部門最優秀賞」はウイットに富んだスナップで、
個人的にはこの方向性が好きだなぁ。


会期は~5月29日(日)まで。


ナチュラル・ファンクション@スパイラルガーデン 2022年5月22日(日)

会期は5月12日(木)~23日(月) なので、既に終了している展覧会。

主催は「小山登美夫ギャラリー

 

 

出展作家は
『ヴァルダ・カイヴァーノ
西村有
大竹利絵子
杉戸洋
竹﨑和征
J・パーカー・ヴァレンタイン』
の、計八名。


中では『大竹利絵子』の作品を暫し見入る。

〔room〕はテーブルを間に向き合う
一組の母子。

共に椅子に座っているのだが、
継ぎ目が見当たらないことから、
母親の方は一木から彫り出されているのかな。

また〔おとめ像@十和田湖〕を彷彿とさせる作品も。

近づけば、仄かに木の薫り。
表現されている内容は兎も角、
なんとなく心が安らぐ瞬間。
 


鉄道博物館100年のあゆみ 1921-2021@鉄道歴史展示室 2022年4月30日(土)

 

東京に生まれ育った人なら、
或いは東京で子育てをした人なら、
殆どがこの場所を訪れているのではないか。

2006年まで秋葉原に在った「鉄道博物館」を。

(あと、「上野動物園」や「海の科学館」も入るかも。
「東京タワー」は上ったことないヒト、結構、多いよね)。

今はもう大宮に移転してしまったけど、
自分も確実に複数回訪問している。

建物から突き出した、新幹線の丸い鼻と、
蒸気機関車の黒いごつごつした車体を今でも鮮明に覚えている。


本展は、戦前からの同施設を写真と
文物で振り返るもの。

天気にも恵まれた連休中とのこともあろうか、
館内はそうした(主に)大人達で溢れ返っている。

ホント、子供の姿がほとんどないのが、
違和感さえ覚える特徴なんだよね。


会期は~7月3日(日)まで。

TOKAS-Emerging 2022@トーキョーアーツアンドスペース本郷 2022年5月22日(日)

 

第2期の会期は5月21日(土)~6月26日(日)。

出展者は
『婦木加奈子』『山田沙奈恵』『時山桜』の三名。

 

『山田沙奈恵』の〔A Fire on My Palm〕は伊豆大島の噴火と
その避難を扱ったもの。

そう言えば、往時、多くの人達が区内にも避難されていた記憶。

何時治まるとは知れぬ自然の猛威に、
その時の不安は如何ばかりだったろう?


『婦木加奈子』の〔ストレンジャー〕は
過去に観ている記憶があり辿ってみたのだが
確証を得ることはできず。

自作の鉄製の植木を、人家の前の植物群に忍ばせ写真を撮る。
回収の後、別のところで同様の作業を繰り返す。

展示会場の窓際には、件の植木もひっそりと置かれ、
なるほど遠目には、通常の植木鉢と区別が付かぬ。

注意して見れば、並んでいる多くの写真の全てに
それは映り込んでおり、実際は異物も、傍目には
なんの違和感もない。

擬風景展@東京藝術大学美術館 陳列館 2022年5月22日(日)

東京藝術大学 芸術情報センター オープンラボ 2022”とも書かれている。

「peatix」による事前予約が必要で

https://amc-exhibition-gihukei.peatix.com

ところが週末に向けて、何とも面妖なメールが
登録アドレスに届きだす。


パフォーマンス?

烏賊?

不漁でできない?

なんのこと??


入場し、展示を観て回り、その趣旨を了解する。

烏賊の神経節は肉眼でも確認可能らしく、
このようなことにはうってつけなのだろう。

もっとも、その後の烏賊を
どのように処理するのかも気になるところだが(笑)。


会期は~5月29日(日)まで。