RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

君の名は。@109シネマズ川崎 2016年9月10日(土)

席数345の【シアター6】は満員の盛況。

封切り三週目にならんとし、
しかもこれだけ大きいハコの埋まり具合はたいしたもの。

客層も若目に振れてはいるものの、
ざっと見渡したところ幅広い。


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自分にとっての〔君の名は〕は
『春樹』と『真知子』のすれ違い。だけど、
直近で検索をかけると「。」が付いた本作が先頭に表示される。

それだけ凄い勢いってことなんだ。


東京に住む高校生の『立花瀧』、そして
何処とは知れぬ田舎に住む女子高生の『宮水三葉』。

或る日、目を覚ますと、互いの躰が入れ替わっていることに気付く。

もっともこの入れ替わりが、今回が初めてだったのか、
過去に何度かあったのかは判然としない。

夢なのか現なのかすら曖昧。記憶にしたって次第に薄らいで行く。

そこで二人は一計を案じる。入れ替わった時に起きたコトを
現代の文明の利器スマホに記録することで、その間の記憶を埋めようとする。


あまりにテンポの良いストーリー展開に巻き込まれてしまい、
当然持つべき疑問を観る側は忘れてしまう。

もっと簡単な方法があるんじゃない?

何故それが不可能であるかは追々語られるわけだけど、
そのことが本作を構成する大きな要素の一つとして機能している。


そして後半部は思わず鳥肌が立ってしまう展開とサスペンス。

観客の勝手な思い込みを利用し尽くした脚本は
それをあっさりとひっくり返され、
かなりの驚愕度合い。

うわ~、こう来たかと、事前の予想~ファンタジー作品~
を大きく裏切る、しかし最後まで予断を許さぬ怒涛の展開。

新海誠』の面目躍如。


躰が入れ替わった後の行動は、例えば
大林宣彦』による〔転校生〕のエピソードを更に拡張したもの。

それ以外にも随所に、風俗的な危ない表現も施し、
その面でも楽しませてくれる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。

但し、タイムパラドクスには
全て目をつむる前提で。

勿論、観ている最中は
あまりの語り口のスピード感に、
全く気にはならないんだけど。


しかし観終わってみれば、
あれっ、これってやはり〔君の名は〕なんじゃね?

ただ「すれ違い」の要素が、三次元から四次元に拡張されているだけで。