封切り三日目。
席数532の【CINE 8】の入りは八割程度と盛況。
いくら23日と言っても平日の昼下がりにこの入り、
すげ~な。
いくら23日と言っても平日の昼下がりにこの入り、
すげ~な。
客層は若年~老年まで満遍ない。
ただ男性比が高めなのは
戦争モノにアリがちな傾向。
ただ男性比が高めなのは
戦争モノにアリがちな傾向。
まぁ「R15+」で人が撃たれるシーンが沢山
出て来るからね。
出て来るからね。
しかし、その「敵」は、必ずしも「兵士」とは限らない。
直近の「IS」の例からも判るように、一般市民でさえ人間凶器となる可能性がある。
直近の「IS」の例からも判るように、一般市民でさえ人間凶器となる可能性がある。
父親から「お前は狼から羊を護る牧羊犬になれ」と育てられた『カイル』にとっては、
仲間であるアメリカ兵を護ることは、当然そのミッションに合致するのだが、
女子供を標的にすることは信条も含め相反する行為。
その矛盾が次第に彼の精神を蝕んで行く。
仲間であるアメリカ兵を護ることは、当然そのミッションに合致するのだが、
女子供を標的にすることは信条も含め相反する行為。
その矛盾が次第に彼の精神を蝕んで行く。
路を行き交うものが全て的に見え、見るからに「兵士」以外をターゲットとする時は、
破壊行動に走らないように祈りながら引き鉄に指を掛ける。
そんな、持って生まれた優しさも、彼の心が壊れるコトを助長する。
破壊行動に走らないように祈りながら引き鉄に指を掛ける。
そんな、持って生まれた優しさも、彼の心が壊れるコトを助長する。
物語は 派兵-帰還 を一つのタームとし
繰り返し描かれる。
派兵=オン
帰還=オフ
のはずが、次第にオンがオフを侵食し始める。
繰り返し描かれる。
派兵=オン
帰還=オフ
のはずが、次第にオンがオフを侵食し始める。
安らぐはずの家族との時間さえ、戦場にいる既視感に襲われ
所謂PTSDが彼を苦しめる。
所謂PTSDが彼を苦しめる。
平時であればオリンピックのメダリストが
狙撃兵として主人公と敵対する。
しかしその狙撃兵にも家族があり、
戦争さえなければ人間的な生活が送れていたことが
キチンと語られる。
狙撃兵として主人公と敵対する。
しかしその狙撃兵にも家族があり、
戦争さえなければ人間的な生活が送れていたことが
キチンと語られる。
ここには絶対の正義などはなく
立場が変われば見方も変わることが提示される。
立場が変われば見方も変わることが提示される。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆☆。
重厚に描かれた本編の後に、
ある一文がそっけなく画面に現れる。
ある一文がそっけなく画面に現れる。
しかし、これこそが、最も重要な一行。
争うことの不毛さを
我々が忘れないでいるための
監督からの強烈なメッセージ。
争うことの不毛さを
我々が忘れないでいるための
監督からの強烈なメッセージ。
ここ数作、やや緩めだった監督の
引き締まった造りの一作は
まさに傑作。
引き締まった造りの一作は
まさに傑作。