RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

イソップの思うツボ@TOHOシネマズ新宿 2019年8月24日(土)

封切り九日目も、はや終映は間近のよう。
実際、本館での上映も昼下がりの一回だけ。

でも、席数73の標題館でもっとも小さな【SCREEN12】は
満席の盛況。

レビューサイトでの評価は賛否両論。
どちらかと言えば悪い方に振れているかな。
でもこればかりは自分の目で確かめないとね。


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前作の成功に気を良くし、勢い込んで次作に取り掛かる、
しかも好評だった部分を借用し。

毎度の事例で気が引けるけど
乾くるみ』が〔イニシエーション・ラブ〕での
最後の十五行での見事なひっくり返しの絶賛に味をしめ
ことあるごとに類似の手法を繰り出すも
読む方は「ああ、またかよ」と嘆息するのに似た状況がここにも。


カメラを止めるな!〕は同じ情景を見ていても、
視点が変わればまるっきり異なる場面に見えてしまう
二重性の斬新さがキモだった。

じゃあ本作の旨味は何かと聞かれると、
どんでん返しとはとても言えない
新しいカードが次々と切られることによる事実の提示で
かなり反則じみている。

もし制作がサイドこれで「してやったり」とほくそ笑んでいるんだとしたら、
相当にレベルが低い。


設定そのものにも既視感がありありで、
一部は当初の段階で、または中途から仕掛けが読めてしまうくらいに
随分と浅薄。

もっとも、動機についてはかなり終盤迄想像できなかったことを正直に吐露。
でもこれはムリもないよね、だって手掛かりがまるっきり提示されてないんだもの。

この要素を受容するかどうかがたぶん評価の分かれ目。
う~ん、見事に騙された、と唸るか、
こんな出し方ならなんでむありじゃん、と怒るか。

ちなみに自分は後者に近い。


役者さんの演技もぎこちないし、ロケもチープだし、
尺は短いしで、良いところが余りにも少ない。

同じような造作でも、
前作にはそれらを補って余りある、驚きと笑いがあったわけだが・・・・。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


これは1,900円で小屋にかけちゃあいけないレベル。

いや、千円でも高く感じるかも。