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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

中村弘峰「SUMMER SPIRITS」@ポーラ ミュージアム アネックス 2019年8月12日(月)

実家にも何体か飾られている{博多人形}は何れも
題材を古来の日本に求めたもの。

能や歌舞伎、美人の舞などだけど
本展で並んでいる作品は一風変わっている。

作者が伝統的な博多人形師の四代目との
肩書にもかかわらず、だ。


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だってのっけから野球の一場面を再現してるんだもん、
ピッチャー・キャッチャーのバッテリーとバッターと。

投本間もきっちりと取られていることに先ずは笑い、
伝統的な顔立ちの人形がイマイマのデザインのユニフォーム
しかし文様に限っては日本古来のそれを引用していることに
更に楽しくなってしまう。

書かれている背番号やチーム名、球団のマークにも意匠を凝らし、
野球を知らなくても、いや知っていれば可笑しさは倍増する。


それは他の作品に於いても同様、
アメフトとか剣道とかね。

後者は日本古来の武道であるのに、やはり今っぽい空気。


会場の中ほどには、『那須与一』の「扇の的」を再現した人形が。

がしかし、彼が矢を番えているのはアーチェリーのボウ、
そこには例の「南無八幡大菩薩」は漢字で
誓願は英語で書かれている無茶っぷり、でも
そ~ゆ~ところがまた嬉しくてたまんないのよね。

どの作品も、上から下から、後ろから前から、
穴が開くほどに見入ってしまう。


陶彫と木彫の何れもが唸るばかりの出来栄えで、
再見すればまた新たな発見があるかも。

会期は~9月1日(日)まで。