RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

さらば愛しきアウトロー@TOHOシネマズシャンテ 2019年7月25日(木)

封切り二週目の終わり。

席数201の【シャンテ-2】の入りは三割ほど。

客層はやはり昔からの『レッドフォード』ファンなのだろう
老齢のしかも女性が多い。


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時間の移ろいとは残酷なもので
肉体的な衰えは勿論、表面的には面構えに
容赦なく皺を刻んで行く。

しかし、その半生に裏打ちされるものか、
好感が持てる容貌とそうでないものに結果判れてしまうのは不思議なところ。


本作はおそらく、良い方の歳の取り方をした『レッドフォード』にぴったりの役柄。

実際の出来事に着想を得てとの最近の流行りながら、
彼の為に当て書きをしたんじゃないかと思えるほど
(まぁ、自身もプロデューサーとして名を連ねてもいるし)。


なんてったってこの銀行強盗、銃は持てどもそれを使わず、
相手に向かってにっこり笑い鞄を差し出せば
そこに行員が自主的にお金を入れ戻して呉れる省エネっぷり。

綿密な計画を立て火器も十二分に用意し
賑々しく踏み込む強盗団がアホくさく見えるほど。


一方で、連続して行う強盗の目的は判然とせず、
おそらくは一連の犯罪行為がもたらす高揚感を得る為の行動と思われ
はっきり言って一種のビョーキ。

イマイマなら間違いなく精神分析の対象だよねと思わせる。


が、本作ではそのような彼の行為を否定も肯定もせずただ淡々と、
そして実際の動きにあわせゆるゆると描く。

車を使っての遁走でさえ、スピード感には欠けるし
ドライビングテクニックもダメダメなので拍子抜けするくらい(笑)

まぁ、役上での年齢が七十台半ば、
『レッドフォード』の実年齢は更に十歳も上なことを勘案すれば
むべなるかな。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


ただ、(役者としての)最終作との位置づけのせいか
配給・宣伝サイド的には妙に感傷的なタイトルを付しており、
これはあまり感心できない部分。