RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

新聞記者@109シネマズ川崎 2019年6月29日(土)

封切り二日目。

席数118の【シアター5】の入りは八割ほど。


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折しも『今井良』の筆になる
内閣情報調査室〕が上梓されたばかり。

同書での表現等に関しては色々と議論にもなっているようだけど、
重要なのは「内調」が持つ
「特定の政治勢力に与せず、
(民主的な手続きを経て選出された)時々の首相(及び内閣)をサポートする」との機能。

従って政権が代わっても、そのスタンスは変わらないだろうし、
補佐すべきは首相であり、国民の方を向いてはいないのは明らか。

ここで思い出すのは『ヒトラー』も民主的な手続きで独裁者になった事実。
三権によるガバナンスが効いてない時代ではその存在に危うささえ感じる。


一方、社会の公器である新聞を初めとするマスコミは
本来であれば、政権の施策のチェック機関のはずなのに
その機能は薄れ、時の公権にすり寄る、
或いはセンセーショナリズムに流れてしまうのが問題点。

なので本作の原案者の『望月衣塑子』にしたって、たまさか与野党が逆転しても
時の政権が国民に対しての説明責任をきちんと果たさなければ、
今と態度は続くだろう。


先に挙げた二点をモチーフに据え、
官僚と記者そして国家組織に翻弄される人々のあがきを正面から捉え、
物語りは濁流の様に進行する。

二人は何れも近しい人の死によって覚醒するとの
共通項はあり乍ら、立場の違い、或いは守るべき者の有無により
その後に選ぶ道は異なっていく。


心象を代弁するカメラやカットの繋ぎも上出来ながら
惜しむらくは虚実の境目を意図的に曖昧にした脚本、特に
大学新設計画の背景にある目的の胡乱さで、
さすがにそれは納得感ないよね、と
思ってしまうわけだが。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


そしてもう一つ、

官僚の『杉原(松坂桃李)』も記者の『吉岡(シム・ウンギョン)』も
行動が、特に後者は迂闊過ぎ。

片や自身が所属する、片や自身と敵対する組織の怖ろしさを知っているなら
より慎重さが求められるのは自明だろう。