封切り十日目。
席数89の【シアター8】の入りは八割ほど。
高校球児にとって、甲子園へのチャンスは
一生のうちに最大で五回しかない狭き門。
一生のうちに最大で五回しかない狭き門。
一方で、監督を始めとするスタッフにとっては
自分がその任にある限り継続できる根本的な違い。
自分がその任にある限り継続できる根本的な違い。
例え強豪校でなくっても、図抜けたピッチャーが居る、とか
走攻守に秀でた粒選りが複数名居るとかで、その可能性は年毎に変動するし、
アタリが巡って来た時は切歯扼腕するのだろう。
走攻守に秀でた粒選りが複数名居るとかで、その可能性は年毎に変動するし、
アタリが巡って来た時は切歯扼腕するのだろう。
本編は『ゴルゴ』が野球部に在籍した三年弱を時系列で追いながら
チームメイトも含めたかかわり合いを丁寧に描く。
チームメイトも含めたかかわり合いを丁寧に描く。
その過程で『赤鬼』はこと野球に関しては
家庭をも顧みないワーカーホリックであることなどが語られつつ、
もっとも鋭い視点が注がれるのは選手と監督の関係性。
家庭をも顧みないワーカーホリックであることなどが語られつつ、
もっとも鋭い視点が注がれるのは選手と監督の関係性。
監督は選手のモチベーションを利用しながら時に競わせ、時に期待を掛け
手駒の様に差配する。
手駒の様に差配する。
甲子園との目標が共有できているからこそ可能なやり方も、
ではその構造に疑問を持つ者が出て来た時にはどうなるか。
ではその構造に疑問を持つ者が出て来た時にはどうなるか。
監督としては切り捨てるのか。
でも生徒と教師としての立場ならどうか。
でも生徒と教師としての立場ならどうか。
教師だって人間だもの、
好き嫌いは当然、
反りが合わない者、贔屓をしたくなる者、
つい感情的になってしまう者と生徒たちも様々に存在する。
好き嫌いは当然、
反りが合わない者、贔屓をしたくなる者、
つい感情的になってしまう者と生徒たちも様々に存在する。
小学生にとっては(今ドキは知らないけど)教師の立場はかなり絶対的。
しかし、中・高と年齢を重ねるに連れ、前述の様な世間も了解されてくる。
しかし、中・高と年齢を重ねるに連れ、前述の様な世間も了解されてくる。
本作の主人公は教師にして野球部監督の二足の草鞋。
両方の思いがないまぜになってしまうのはありがちだよね。
両方の思いがないまぜになってしまうのはありがちだよね。
最後のシークエンスで、消えてしまったかに見えた彼の情熱は
実は熾火の如くしっかりと保たれていたことが判る。
実は熾火の如くしっかりと保たれていたことが判る。
また、中途のシーンでも
自身が指導した選手への目配りもきちんとされている
実は鑑の様な人物であることも描かれてはいるのだ。
自身が指導した選手への目配りもきちんとされている
実は鑑の様な人物であることも描かれてはいるのだ。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
そしてもう一つ『川栄李奈』が随分と良い感じに育っている。