RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ザ・ファブル@TOHOシネマズ上野 2019年6月22日(土)

封切り二日目。

席数199の【SCREEN8】は満員の盛況。


イメージ 1



殺人者として純粋培養される。

一見、斬新に思えるも、これが時代劇だったらどうだろう。
有りがちな設定では?

また洋画でも類似の着想は多い。
例えば『シアーシャ・ローナン』の〔ハンナ〕とか。

が後者では、主演女優の愛らしさや、小が大を制す小気味良さはあるものの、
やはり身体性にはムリを感じる。

その点本作では、前者での幾つかの役を演じている『岡田准一』と言う
背は低いものの身体能力の高い稀有な役者を得て万全の納得感。

アクションの面では申し分なしのスピード感と外連味。


物語りは主人公の『佐藤明/ファブル』に育ての親が
殺し屋稼業を一年間休むよう告げることから始まる。

あとあと述べられる意図するところは弱いものの、
その間は委細を問わず、殺しは禁止とのシバリを付けるのは
仕掛けとしてはまずまず。

それがストーリーを膨らませるレバレッジになるのだから。


一方、敵対する二人組の殺し屋が
チャラくてサイコな若いあんちゃんにしか見えず、迫力の点では皆無。

もっと強さを表現するエピソードを入れておかないと
主人公が手を抜いているからでしょ、としか観る側は思わない。


また先に挙げた理由から世間慣れしていないことによる
常識とのズレやぶつかりはもっと多量にあるハズ。

それら諸々を更に巧く仕立てて笑いを取ることも可能だったろうにと
脚本の練り込みには不満が募る。


しかし一番の疑問点はヒロインを演じた『山本美月』にあって、
変顔はOKなのに下着姿すらNGってのはど~ゆ~了見よ!

リアリティーの面でも問題だし、おぢさんは憤懣る方無いんですけど。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


等々、全体としては残念な要素が多い一本。

色々と改善されば、もっと笑えて
手に汗握る作品に化けただろうにと
折角の素材を活かしきれなかった制作サイドに少々の苦言を。