RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

エリカ38@TOHOシネマズシャンテ 2019年6月14日(金)

封切り八日目。

席数201の【シャンテ-2】は満員はの盛況。

客層はほぼ高齢者で、正直なんで?って思う。

樹木希林』の名前に惹かれたか、
嘗てのアイドルへの思いか或いは主人公の年代への共感か。

でもざっと見渡したところ平均年齢は七十歳を超えてるんじゃ?


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実際の事件にインスパイアされた作品と言われれば、
あああれかな、と薄っすら記憶が甦る。

確か犯人の女性は偽名を使い、年齢も大幅に鯖読んでいたんじゃないか。

でも自分の周りにも不思議なコトに28歳でトシが停まっている女性は多く、
一種の習いなの?って皮肉交じりに思ったりもする。

まぁ周囲も判っていて合わせてはいるんだけどね。


さはさておき、あの「隣の美代ちゃん」も
六十歳を越えたか~との感慨。

〔時間ですよ〕〔寺内貫太郎一家〕以降同時代を見ては来たけど
ほぼほぼがバイプイヤー、アイドルの頃は兎も角、
その後は主役を張ることはほぼほぼ無かったものね。

その意味で『樹木希林』に背中を押されたという本作、
間違いなく彼女の代表作となるだろう


しかし背景はそうであっても、悪女であり
欲望が剥き出しになり、ベッドシーンまである役への抵抗はあったろうに。

実際に肌を見せる場面では肉の落ちが相当に辛いし、
背中に回した指の演技もこの道五十年にしてはぎこちない。

一方で衰えが感じられるすっぴんの顔をアップで複数回晒すのは
役者魂の発露と純粋に喝采を贈る。

欲にまみれながらも、心の中心は空っぽで、
老いのとば口に立った女性の揺らぎが巧く表現で来ていたと感じる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


ドラマ部分と並行し、関係者に取材したパートを役者が演じ
ドキュメンタリー風に挟み込む実録モノでは有りがちな手法。

その中で、本当の悪はもっと別の所にあり
主人公の『渡部聡子/エリカ』へのシンパシーが感じられる構成には
若干の違和感を感じた。